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コロナ禍 増える無人駅 石川県内新たに12駅 路線の維持 課題

2022年6月28日 05時05分 (6月28日 10時04分更新)
 能登観光の玄関口のJR七尾線・和倉温泉駅(石川県七尾市)。特急「能登かがり火」や一部の特急「サンダーバード」の始発・終着駅でもあるが、近年は乗降客が減少。JR北陸線の粟津駅(同県小松市)とともに三月、無人化された。
 新型コロナウイルス感染拡大が本格化した二〇二〇年八月、JR西日本は石川県内で十二駅、富山県内で九駅を新たに無人駅にすると発表した。三〇年度までには、両県にある駅の八割超に上る五十三駅が無人駅になる見通しだ。
 今年四月には一九年度に一日の平均乗客数(輸送密度)が二千人未満だった十七路線・三十区間を発表し、路線見直しの協議を沿線自治体に要請。石川、富山の両県に対象路線はなかったが、城端線・氷見線は四〇年度に一九年度比で29%減る見通しで、対応が求められている。

無人化が決まった城端線の終点・城端駅=富山県南砺市で

 もともと人口減や車利用の拡大で地方の公共交通機関の利用者は減少傾向にあった。近年は北陸新幹線の金沢開業の恩恵もあったが、コロナ禍が経営を直撃。採算性の低い生活路線の維持が難しくなっている。
 北陸鉄道(金沢市)の路線バスの二一年度の利用者は、コロナ前の一九年度比で30%ほど減。ピークだった一九六八年度比では五分の一で、過疎地を中心に路線廃止が進んでいる。赤字が続く鉄道(浅野川線、石川線)は公有民営の「上下分離方式」の導入に向け、金沢市など周辺自治体と協議を始めた。
 富山地方鉄道(富山市)の路線バス、鉄道の二一年度の利用者は一九年度比で約15〜19%減。一方、軌道線(路面電車)は二〇年二月に富山市の第三セクター・旧富山ライトレール(富山港線)を吸収合併し、富山駅の南北で分断されていた路線を接続。利便性の向上に一定の成果を上げている。
 金沢大の白石英巨(ひでお)講師(土木計画学・交通工学)は高齢化が進む中、公共交通の重要性は増していると述べ「市中心部の車線を減らし、路面電車沿線の商店街でマルシェを開いて利用増につなげた松山市の成功例もある。交通事業者任せではなく、まちづくりの方向性を地域一体で考えていくことが必要」と訴える。(高岡涼子)

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