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タイトルホルダー文句なしの現役最強馬に 凱旋門賞を勝てるイメージ【本城雅人コラム】

2022年6月27日 05時45分

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タイトルホルダー

タイトルホルダー

◇コラム「ぱかぱか日和」
 パンサラッサの1000メートルの通過タイムが57秒6。そこから3、4馬身ほど離れた2番手につけたタイトルホルダーが、自ら逃げ馬を捕まえにいき、2着に2馬身差をつけ2分9秒7のコースレコードで走破した。この馬を負かせという方が無理な注文だ。阪神の3000メートルと3200メートルを勝ったステイヤーは、2200メートルでも勝ち、文句なしの現役最強馬となった。
 タイトルホルダーと横山和生騎手のコンビ、なにせスタートが抜群にうまい。パンサラッサが逃げ宣言をし、アフリカンゴールドもいたが、飛び出すようにゲートを出て手綱をしごく。まるでハナを奪うかのような動きに、パンサラッサの吉田豊騎手、ディープボンドの和田竜二騎手も押していった。だが横山和騎手が手綱を動かしたのは最初の100メートルまでで、すぐに抑えている。私にはあのしぐさはフェイクに見えた。ゲートを一番に出て、行くと見せかけ、序盤に待ち受ける阪神の坂でライバル馬に脚を使わせる。だとしたら見事な頭脳プレーだ。
 そしてもう一つの頭脳戦が3コーナー過ぎまでに起きていた。和田竜騎手がムチを入れて追いかけてきたが、横山和騎手はディープボンドが来るのをチラリと見てから、馬なりでパンサラッサとの差を詰め、直線は先頭に立った。向正面でパンサラッサとの間に作った距離、あれが最後まで効いていたのだ。トップジョッキーからはよく「競馬は2番手がペースを作る」と聞くが、まさにお手本のような競馬だった。
 しかし「先行できる」「長くいい脚を使う」「時計が速い」、この三拍子がそろった馬はなかなか日本競馬には出現しない。切れる脚の名馬は毎年出てくるが、それがヨーロッパでは通用しないのである。
 凱旋門賞にはこれまで数多くの日本最強馬がチャレンジしてきたが、ロンシャンを勝つのをイメージするなら、この馬をおいて他に見当たらない。(作家)

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