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【石川】救助で海へ 父親死亡 白山・徳光 流された息子無事

2022年6月26日 05時05分 (6月26日 10時55分更新)
男児と父親が流された徳光海岸の現場付近=25日午後、石川県白山市徳光町で

男児と父親が流された徳光海岸の現場付近=25日午後、石川県白山市徳光町で

  • 男児と父親が流された徳光海岸の現場付近=25日午後、石川県白山市徳光町で
  • 現場付近に設置されている水難事故の注意を呼びかける看板=25日午後、石川県白山市徳光町で
 二十五日午後四時四十八分ごろ、石川県白山市の松任海浜公園近くの徳光海岸で「子どもが沖に流されている。お父さんが助けに入った」と一一九番があった。約十五分後、沖合約三十メートルで父親の会社員林大介さん(38)=金沢市八日市二=が消防隊員に救助されたが、搬送先の病院で約二時間後に死亡が確認された。小学四年生の長男(10)は近くにいたサーファーに救助された。林さんの死因は溺死。
 白山署などによると、長男は命に別条はない。林さんは、妻と長男、次男の四人で午後四時ごろに海岸に訪れ、長男と次男は、波打ち際で泳いでいた。救助された時、林さんは服と靴を身に着けており、長男は水着姿だった。目撃した女性が通報した。
 長男を救助した四十代男性のサーファーは、海岸に上がった際に「子どもがおぼれている」と叫び声を聞いて現場に向かった。救助の状況について男性は「沖合で子どもをサーフボードに引き上げると『お父さんが沈んでいる』と言ったため、お父さんが海中にいることに気が付いた」と話した。長男は海中の父親をつかんで離さず、沖合で一緒に救助を待ったという。
 男性は消防隊員に父親を託して、長男を海岸に引き上げた。「気が動転していたが、とにかく助けようと思った。子どもがずっとお父さんを助けなきゃと言っていた」とうつむきながら話した。
 近くでサーフィンをしていた別の四十代男性は「今日は結構流れが速く、波が高かった。大人でも流されたら戻ってくるのは難しいと思う」と話した。

「過去に水難事故相次ぐ」「海開き前 監視員不在」

 金沢市で最高気温三二・七度を記録するなど、梅雨時としては異例の暑さに見舞われた二十五日。父子がおぼれた石川県白山市の徳光海岸にはサーファーや、涼を求めて散策する家族連れの姿が目立った。過去にも水難事故が相次いだ場所だが、海開き前で監視員はいない状況だった。
 徳光海岸は、北陸道の徳光パーキングエリアや市の海浜公園、温泉施設がそばにあり、人の出入りは多い。午後七時半ごろに家族四人で海岸に訪れた金沢市の五十代女性は事故に驚き、「今日は暑かったので涼みに来た」と話した。
 白山市内は同日未明まで強風と波浪注意報が出され、通常より波が高い状態だった。同海岸は、岸から沖にかけて流れが急に速くなる「離岸流(りがんりゅう)」の危険性も指摘されている。二〇二〇年五月にはほぼ同じ場所で、当時高校一年の男子生徒がおぼれ、死亡する事故が発生した。
 海岸は国土交通省の管理だが、市は看板を設置して水難事故への注意を呼びかけている。市の担当者は「海水浴場の開設前なので、安全な海の利用をしてもらいたい」と求めた。(青山尚樹、吉田拓海)

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