本文へ移動

誰も予想しなかった奇襲『本盗』…中日・立浪監督が可能性にかけた阪神・青柳の“幻惑” 読み的中も0.1秒届かず

2022年6月25日 11時08分

このエントリーをはてなブックマークに追加
本盗を狙った大島(右)はアウトとなる=24日

本盗を狙った大島(右)はアウトとなる=24日

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇24日 阪神6-4中日(甲子園)
 誰も予想していなかった奇襲で、試合を動かそうとした。1回2死三塁。つまり打席にはプロ初の木下とはいえ、4番がいる。通常は打者に託す。
 捕った坂本のタッチをかいくぐろうとしたが、わずかに触塁が遅かった。立浪監督がリクエストしたほどのタイミングだった。
 大島といえば昨年の球宴での幻の本盗(タイミングはセーフだったが、打者が打った)が記憶に新しいが、公式戦では3度目の本盗企図。2017年6月25日の巨人戦(東京ドーム)では成功している。ただし、この時はスクイズしようとした球を、捕手がはじいた結果。重盗崩れでもない単独の本盗は企図そのものがかなり珍しい。当然ながら大島の判断ではなくベンチのサインだった。
 「決して焦ったわけではないですが、青柳投手だったので何とか1点を取りたかった。できれば木下には(援護のため)スイングして欲しかったけど、アウトになっちゃったら僕のミスということになります」
 立浪監督の意図はわかる。セ・リーグで最も攻略が難しい青柳。そして彼のモーションにはチャレンジするだけの可能性があった。走者無しの時、基本は左足を高く上げる青柳だが、時折クイックモーションをはさんで打者を幻惑する。盗塁の警戒が薄れる走者三塁も同様。あの場面、初球(ボール)、2球目(ボール)、4球目(ストライク)は高く上げ、3球目(ボール)だけがクイックだった。確率4分の3。立浪監督は勝負に出た。5球目(ボール)も左足は高く上がっていた。読みは当たったが、0・1秒届かなかった。
 右は木下だけという青柳用の打線を組んで、2度は追いついた。1回の奇襲で見せたベンチの執念は、選手に伝わっていた。惜しむらくは満塁での弱さ。22日のヤクルト・中村(3点二塁打)に始まり、23日は村上(本塁打)、山田(3点二塁打)、そしてこの日は青柳(2点打)、糸原(2点打)、代打・梅野(2点打)と6連続で痛打を浴びている。あと1点、1アウト、1ストライク…。甲子園の夜風は「1」の重みを思い知らせてくれた。

関連キーワード

おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ