本文へ移動

シーホース三河、躍進のシーズンを振り返る CS進出へ求められるチームづくりとは【Bリーグ】

2022年6月24日 17時06分

このエントリーをはてなブックマークに追加
シーホース三河の選手たち(©SeaHorses MIKAWA co.,LTD.)

シーホース三河の選手たち(©SeaHorses MIKAWA co.,LTD.)

  • シーホース三河の選手たち(©SeaHorses MIKAWA co.,LTD.)
  • 角野亮伍(©SeaHorses MIKAWA co.,LTD.)
  • 西田優大(©SeaHorses MIKAWA co.,LTD.)
  • シェーファー アヴィ幸樹(©SeaHorses MIKAWA co.,LTD.)
 2021-22シーズンのシーホース三河は、エース・金丸晃輔の移籍という大激震から始まった。チームが大幅に刷新されて苦戦が予想されたが、新たな三河の顔となる若手が頭角を表し、チャンピオンシップにあと一歩のところまで迫った。来季へのチーム編成が進む今、改めて今季を振り返る。

◇ 開幕ダッシュ成功も…激震

 オフに昨季レギュラーシーズンMVPの金丸晃輔を含む約半数の選手がチームを去り、Bリーグ初年度から継続して在籍する選手はゼロになった。再構築を迫られるチームには、東京五輪代表候補で大卒ルーキーの西田優大や史上最年少で日本代表候補となった角野亮伍ら将来有望な選手が加わったが、前評判は決して高くなかった。長年三河を応援してきたファン・ブースターからも「我慢のシーズン」という覚悟の声が聞こえていた。
 ところが、青き新風はオフに流したブースターの涙を瞬く間に乾かしてしまった。得点力のある選手が抜けたことを逆手に、開幕前にディフェンスの強化と機動力を生かしたオフェンスに取り組んだことが結果につながったのだ。
 10月10日の琉球戦から7連勝。第3節(10月16、17日)の群馬戦では2戦続けて接戦を制し、特にGame2で17点のビハインドを覆して逆転勝利したことが自信となり、チームは勢いを増した。
 開幕スタメンに抜てきされた新加入の西田と角野、2年目のシェーファーアヴィ幸樹を、コート上では大黒柱のダバンテ・ガードナーとNBA経験を持つ司令塔のカイル・コリンズワースが、コート外ではキャプテンの根來新之助、大ベテランの柏木真介が支える。20代前半の若手選手がノビノビとプレーし、シーズンテーマの『全力三河』を体現するように攻守にわたり40分間全員バスケを貫く。その爽快な姿は、三河ブースターならずとも期待感が高まるものだった。
 チームでの活躍が評価され、西田とシェーファーは11月27日、28日に行われたトム・ホーバスヘッドコーチ率いる日本代表の初陣「FIBA バスケットボールワールドカップ 2023 アジア地区予選 Window1」中国戦のメンバーに選出。そこで西田は最多得点を挙げ、「日本の新エース」との声も上がる活躍を見せる。

◇壁を乗り越えチーム結束

 もちろんそんなに甘い世界ではない。若さゆえのもろさも徐々に露呈した。
 最初の壁にぶつかったのは12月、広島に1点差で競り負けると、続く名古屋Dにも敗戦。今季のBリーグ王者となった宇都宮に初の同一カード連敗を喫し、今季最長の4連敗で順位を5位に落とした。
 それでもチームの雰囲気は明るかった。宇都宮戦後、角野は「僕らは壁にぶつかって、それを乗り越えて成長するチーム。とんとん拍子に行ってしまうよりは、早い段階で一回しっかり確認できる状況に当たれているのはいいこと。プロ経験が短い選手が多い中、プロ経験が長い(宇都宮の)選手と戦って何か一つでも学んで、いい負けになったと思えるように今後につなげていかなければならない」とポジティブに捉えていた。
 初めて東地区の強豪チームと対戦して、自分たちの現在地と目指すべきレベルを確認することができたとも語る。
 「僕らが追い上げた時にコントロールする能力だったり、流れが来た時に一気に突き放したり。(宇都宮は)自分たちのペースをつかむのが上手だと感じた。我慢しなきゃいけないところで我慢するというところをしっかり学んで次に生かしたい」
 勝利と敗戦の両方から学び、歩みを進めていたチームに、2つ目の試練が訪れる。後半戦に向けてギアを上げたかった2月、ジェロード・ユトフ、コリンズワースと外国籍選手が相次いでインジュアリーリスト入り。チームスタッフとして契約していたアンソニー・ローレンスⅡと選手契約を結ぶ。
 ローレンスⅡはBリーグデビュー戦(島根戦)で23得点を挙げたのを皮切りに目覚ましい活躍を見せるが、3月には柏木が戦線離脱を強いられ、フルメンバーがそろわないままシーズン終盤を迎えることとなる。

◇CS逃すも、来季へ希望

 今季のBリーグはかつてないほどの大混戦となった。
 ローレンスⅡがフィットし、追走体制が整った三河は、ワイルドカード争いのライバルであるSR渋谷、秋田との直接対決に連勝して、ワイルドカード2位で川崎との最終戦を迎える。三河は2ゲームのうち1つでも勝てばチャンピオンシップ(CS)出場が決定。一方の川崎は三河に2連勝し、千葉がSR渋谷に1敗以上すれば東地区優勝が決まるというヒリヒリする状況での対戦だった。
 Game1は59-85で完敗。後がなくなったGame2は、今季最多となる2677人のファン・ブースターとともに勝利を目指したが、終盤突き放されて76–91で惜敗。秋田が勝利したために順位が入れ替わり、三河はCS出場を逃した。
 シーズンを終えて、鈴木貴美一HCは「金丸選手や川村選手というベテランのスター選手が抜けて今年はダメだろうと予想されていたが、若い選手が本当に一生懸命頑張って成長してくれて、CS争いができる昨年と同じくらいのレベルまで来てくれた。次につながるると思います」と選手の健闘をたたえた。
 ルーキーながら全53試合で先発を担い、三河の新エースとしてその活躍がチームの勝敗を左右するまでに成長した西田は「今日(川崎戦)だけを見たらすごく悔しい結果ですけど、今日に至るまでもったいない試合もたくさんありましたし、今思えばそういう試合を取りこぼさなければという思いもあります」と冷静に分析。11月の琉球戦、12月の広島戦、1月の京都戦、4月の島根戦など、残り1分で勝利を手放した試合を上げて悔やんだ。
 そして、最後の最後まで成長の糧を見出し、次を見据えた。
 「(川崎は)個人があれだけうまいのに、チームプレーに徹している。スピードと高さの両方で、ミスマッチができたら確実にそこを突いてくる。東の強豪はさすがだなというのはありましたし、そこを目指さないといけない。今シーズン経験したことをしっかりと来季につなげていかなければいけない」
 2022-23シーズンに向けて、三河は5月30日時点で9選手の契約継続を発表している。今季試行錯誤しながら作り上げてきた土壌に、来季どんな花が咲くのか。シーズンの開幕が今から待ち遠しい。
(記事提供・シーホース三河)

関連キーワード

おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ