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<レビュー> 廃墟文藝部「残火」 豪華顔触れが本領発揮

2022年6月23日 16時00分 (6月23日 16時00分更新)
八代将弥(左)と元山未奈美

八代将弥(左)と元山未奈美

  • 八代将弥(左)と元山未奈美
  • あさぎりまとい
  • おぐりまさこ
 平成元(一九八九)年生まれの脚本家斜田(ななめだ)章大が、令和を迎えて歴史の一ページとなった「平成時代」をテーマに書いた。名古屋の小劇場では珍しい、朝ドラにも似た〝ド直球〟なヒューマンドラマを、地元演劇界名うての俳優たちが見事に支えた。(小原健太)
 名古屋近郊の写真店の息子として平成元年に生まれた道久。小学生の時、阪神大震災で両親と左腕を失った同い年の少女・火花と出会い、ハンディをものともせず、前を向いて生きる彼女の写真を撮り始める。その写真に引きつけられた転勤族の少女・歩鳥との交流などを経て、二人は成長していく。
 登場人物たちは東日本大震災、五輪の東京開催決定、新元号発表など、平成に実際起こった出来事を受け止め、感想を言い合い、決断を下す。それは観客の誰もが通ってきた道。劇を見ているようでいて、一人一人が自身の思い出を回想する時間でもある。舞台がわれわれの世界と地続きになる。終盤、令和を目前にして東海地方を架空の大地震が襲うのだが、この構成によって圧倒的なリアリティーを観客に与えるのに成功している。
 全体としてシンプルなだけに役者には相応の力量が求められるが、さすがの顔触れだった。...

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