ヤクルトや広島にあって中日にないもの…永遠にして喫緊の課題『四球と得点圏打席の増加』現有戦力でも実現可能
2022年6月23日 10時06分
◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇22日 中日3―7ヤクルト(バンテリンドームナゴヤ)
2回に松葉が右越え二塁打で返した1点で、チームの総得点は200に達した。書かなくても読者はわかると思うが、セ・リーグ最遅。前年比(6月23日、68試合)では辛うじて上回ったが、積年の課題は解消されていない。
改善に時間がかかるのは、最初からわかっていたことだ。とはいえ歯がゆい。隣の芝生と比較して、現状を把握したい。最多のヤクルトは277得点。僕がチームの得点力と密接な関係があると書いてきたOPS(長打率+出塁率)でもトップなのだから、納得の強打線である。
これも読者ならよくご存じだと思うが、中日には長打力がない。しかし、中日より本塁打(37)も盗塁(23)も少ないのに、得点力があるのが広島だ。31本塁打、12盗塁で256得点。広島にあって中日にないのは、得点圏打率と打席の数だ。セ・リーグでは断トツの2割8分4厘と705打席。中日は2割2分9厘で611打席。一振りで決める迫力とかき回す脚力の弱さを、徹底して好機をつくり、勝負強さで補っている。
得点機で広島のようなたくましさがない中日が、得点機を増やすにはどうすればいいか。これも何年も書き続けていることだが、四球力である。145四球はリーグ最少。ヤクルトの強さは長打だけではない。リーグ最多の206四球は、優れた選球眼と相手を威圧するつながりのたまものだ。
「(ヤクルトは)2死からああやって点を取れるから首位にいると思う。うちも追いついたんですけど、あそこで追い越せなかったのが痛かった」
全て2死からの7失点に、立浪監督はヤクルト打線の強さを感じていた。今すぐに身に付くことはないのが長打力。現有戦力でも何とかなりそうなのが、四球と得点圏打席の増加。67戦202得点は、永遠にして喫緊の課題である。
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