本文へ移動

中日春秋

2022年6月23日 05時05分 (6月23日 05時06分更新)
 沖縄土産の琉球ガラス。色とりどりのグラスなどがあるが、青色がよく売れるという。観光客が沖縄の海をイメージするらしい
▼浜松学院大の清水友理子講師が九年前に発表した論文『琉球ガラスの文化史』などによると、沖縄のガラス工場は戦前、日用の容器などを作ったが、戦争で焼けた。物不足の戦後、再開した工場は米兵が捨てたコカ・コーラやセブンアップ、ビールなどの瓶を再生。薄青、緑、茶などもとの瓶の色がガラスの色になった
▼廃瓶ゆえ、不純物が工程で混じりガラスに気泡ができたが、それも味わい。本国に帰る米兵の土産として人気を呼んで工芸として発展し、一九七二年の本土復帰以降、主な顧客は日本人観光客になった
▼沖縄戦の組織的戦闘の終結から今日で七十七年。今も在日米軍専用施設の七割が沖縄に集中する
▼県のホームページの基地関連「Q&A」に「沖縄県の経済は米軍基地経済に大きく依存しているのではないですか」という質問がある。県民総所得に占める基地関連収入は六五年度に30・4%だったが、近年は5〜6%と限定的。本土に誤解する人がいるから、この質問を載せるのだろう
▼琉球ガラスの名工、故桃原正男さんの代表作に青い花瓶がある。イメージしたのはニライカナイ。海の彼方(かなた)などにあると沖縄で信じられる理想郷だ。青色には、幸せを願う気持ちもこめられている。

関連キーワード

おすすめ情報