<食問>幕の内弁当のご飯、なぜ俵形?
2022年6月22日 11時30分 (6月22日 13時27分更新)
<Q>最近の幕の内弁当は、ご飯が俵形ではなく、平らなものが多いです。本来の幕の内の意味が知られていないのでしょうか。
<A>食べやすく、見栄え良く
食文化史研究家の永山久夫さん(90)=東京都練馬区=を訪ね、幕の内弁当の歴史や定番の中身について聞きました。
「起源は、庶民が芝居見物をするようになった江戸時代後期です。幕あい(幕の内)に、観客が食べる弁当として広がりました」
当時の風俗をまとめた事典「守貞漫稿 」では、「幕の内」を、にぎり飯に「こんにゃく・焼き豆腐・芋・蒲鉾 ・卵焼きなどを付け合わせ」たものと紹介。「にぎり飯は、白米を木型に詰めて押して俵形にし、黒ごまを上から振りかけていました」。花街のあった江戸芳町 (今の東京・日本橋周辺)の「萬久 」という店の弁当がルーツとされます。
江戸時代の川柳に、「幕の内 やざまを抜けた 飯を食ひ」という句が残っています。矢狭間 とは、矢を射るために、やぐらや城壁などに開けた穴のこと。その穴の形に、にぎり飯を作る木型が似ていることをうたっています。
さて、幕の内弁当のご飯は、なぜ俵形なの...
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