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”新リーグ”に揺れた全米オープン ゴルフの賞金が低いままなら選手流出は免れない【武川玲子コラム】

2022年6月21日 17時34分

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ミケルソン(AP)

ミケルソン(AP)

◇コラム「ゴルフ米ツアー見聞録」
 27歳、英国のマシュー・フィッツパトリックが勝利した全米オープンは、大会前に開幕した新リーグ「LIVゴルフ」への反応が激しく出た。「ゴルフ史上、最も騒々しい2週間だ」。そう言われる中、LIV移籍の渦中にいるフィル・ミケルソン(米国)はおおむねファンから温かく迎えられた。
 新リーグは1試合優勝400万ドル(約5億4000万円)の超高額賞金とは別に、人気選手には前払い金を用意している。ミケルソンに2億ドル(約270億円)、ダスティン・ジョンソン(米国)には1億2000万ドル(約162億円)とされる。公表はされていないから、あくまでも推定で年数も不明。前言を翻し、LIV参戦を表明したブライソン・デシャンボー(米国)は1億ドル(約135億円)と言われ「参戦はビジネス上の決断。潤沢な資金があれば今後ゴルフ以外のことでも活動が可能になる」とコメントした。
 当然、松山英樹(レクサス)にもオファーはある。ある米記者はアジア市場への価値を踏まえ「1億ドル以上」と算出。当の本人は「興味はあるが、米ツアーに出場できない限りは行かない」と明言した。ただ、今後の状況によってはLIV参戦も考えられる。
 押さえておきたいのは、昨今のスポーツ界全体を見渡すと、ゴルフの賞金額は決して上位ではないということだ。マスターズを制し、今季4勝で1シーズンの史上最高額を更新したスコッティ・シェフラー(米国)の獲得賞金は1289万ドル余り(約17億4000万円)。シニアツアーもあるゴルフは基本的に長く戦えるスポーツでもある。一概に比べられるものでないが、MLBの今年の年俸最高額はマックス・シャーザー(米国)の4300万ドル(約58億円)で、NBAのステフィン・カリー(米国)は4570万ドル(約61億円)とされる。
 さて、LIVを排除する米ツアーと態度を保留する欧州ツアー。両ツアー出場が可能となるなら、LIVに参戦する選手がさらに増えるだろう。予断を許さない状況がまだ続きそうだ。
(全米ゴルフ記者協会会員)
(写真はAP)
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