熱海の土石流で全半壊した建物の解体本格化 あの茶色の建物も…
2022年6月21日 16時00分 (6月21日 16時00分更新)
昨年七月の静岡県熱海市伊豆山(いずさん)の土石流災害で、濁流に押し流されずに残った赤茶色の建物の解体作業が二十一日、始まった。発生当時、流れ下る土砂が建物を直撃する様子をとらえた映像が報道や交流サイト(SNS)で拡散。土石流のすさまじさを広く伝え、象徴的な建物になっていた。
建物は「丸越(まるこし)酒店」で、市議高橋幸雄さん(66)の鉄筋コンクリート造り四階建ての自宅兼店舗。土石流では、三階以下に土砂が入り込んだ。家族は全員無事で建物も倒壊を免れたが、「大規模半壊」に認定され、公費解体が決まった。築三十六年だった。
午前十時過ぎ、地元住民も見守る中、重機が建物の外壁を壊し始めると「ゴォー」と大きな音が響き、高橋さんはそばで静かに見守った。
高橋さんは「まさか土石流でこんなことになるとは思っていなかった。悲しい思いはあるが、前向きに考えるしかない」と淡々と話した。解体は七月末に終わる予定。
市によると、公費解体の対象となる半壊以上の建物八十九棟のうち、これまでに五十七棟の申請を受理。この日から本格的な作業が始まり、来年一月末までの解体完了を目指している。...
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