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<家族のこと話そう>歌人・作家 小佐野彈さん

2022年6月20日 10時43分 (6月20日 11時06分更新)

新潮社提供

創作意欲刺激する母

 両親は十歳ごろに離婚。母が兄と僕を育ててくれました。僕は、ホテルなどを経営する国際興業グループ社長だった母方の祖父の養子になり、経済的に恵まれた家庭に育ちました。
 家の中で母の存在は大きく、母に見捨てられることが怖くてたまらなかった。僕は中学生の頃、自分がゲイだと気づきましたが、母を失望させるのではないかと恐れて、ずっと隠していました。
 母と兄にゲイだと知られたきっかけは、僕の失恋でした。大学一年の時、兄の友人だった男性の先輩に気持ちを伝えたものの、ふられました。その先輩は、僕が自殺でもするのではと心配して兄に電話。それを聞いた母から「男を好きだろうが女が好きだろうが何でもいい。ばかなことを考えているなら目を覚ましなさい」と携帯に電話がかかってきました。兄も「おまえは堂々と生きていけばいい」と、ゲイであることを受け入れてくれました。
 ただ残念ながら、性的マイノリティーの人が何の支障もなく生きていける社会ではありません。親からしてみれば、できるだけ苦労せずに生きていってほしいでしょう。僕自身の中に、普通になれなかった、道がそれたという罪悪感があり、自分が欠陥のある人間...

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