本文へ移動

新型コロナ第6波 知的障害者の対応に課題

2022年6月16日 05時05分 (6月16日 05時06分更新)
亡くなった藤沢大眺さん=遺族提供

亡くなった藤沢大眺さん=遺族提供

 新型コロナウイルスの感染が広がり、感染しても入院が困難となっていた二月の「第六波」では、重度知的障害者への対応で課題を残した。感染した知的障害者は死亡リスクが高いとの海外の研究もあり、実際に陽性判明後に入院できず、亡くなったケースも。関係者は「慎重な対応を求めたい」としている。 (三沢聖太郎)
 二月をピークとする第六波では、医療機関の病床逼迫(ひっぱく)により、コロナに感染しても、重症でなければ入院が難しくなっていた。日本知的障害者福祉協会(東京)によると「障害者支援施設を利用する重度の知的障害者が感染した場合も、当時は多くが保健所の指導の下で施設内療養になっていた」と指摘する。
 静岡市内では二月、高熱で病院に救急搬送された知的障害者の男性が、陽性を確認されたものの入院できず、数日後に亡くなる事案があった。
 亡くなったのは、意思疎通が困難な重度の知的障害があった藤沢大眺(だいち)さん(24)。家族が運営する生活介護施設に通所していた。二月十二日に四〇度超の熱を出し、市立静岡病院に救急搬送。PCR検査の結果、陽性と判明した。
 知的障害を巡っては、英国などの研究でコロナによる死亡リスクを高めることが報告されている。付き添いの父・大輔さん(53)が、診療や入院を要請。だが、医師からは(指に付けて血中酸素飽和度を計測する)パルスオキシメーターの数値が「入院が必要なほど低くない」として、帰宅を促された。帰宅後も高熱は治まらず、十六日午前、体調が悪化。搬送先の同病院で亡くなった。
 その後、病院側は大輔さんに「対応に問題はなかった」と説明。本紙の取材には「個別の案件」として回答を控えた。大輔さんは「知的障害者としての医療的な対応は十分ではなかったのでは」と振り返る。
 同協会の末吉孝徳事務局長は「重度の知的障害者の中には、基礎疾患があるなどで重症化しやすい方もいる。本人や家族、施設関係者に対して十分な聞き取りをするなどの慎重な対応と、適切な医療が提供されることを望みたい」としている。

関連キーワード

おすすめ情報