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参院選静岡選挙区・7人予定 異例の構図

2022年6月9日 05時05分 (6月9日 05時07分更新)
 二十二日公示、七月十日投開票が見込まれる参院選が近づいてきた。静岡選挙区(改選数二)では七人が立候補する予定で、構図がほぼ固まった。現職二人が無所属で、野党第一党の立憲民主党が候補者を立てずに推薦もしない、全国でも珍しい選挙区となった。自民と野党が一議席ずつを分け合ってきた過去の経緯からみても、異例の選挙戦となる。 (参院選取材班)
 静岡選挙区ですでに立候補を表明しているのは無所属現職の平山佐知子氏(51)と、国民民主党の推薦を受ける無所属現職山崎真之輔氏(40)、自民新人で前御殿場市長の若林洋平氏(50)=公明推薦=、共産新人の鈴木千佳氏(51)、NHK党新人でIT会社社員の舟橋夢人氏(56)。八日には、新たにN党新人で食品卸会社社員堀川圭輔氏(48)が出馬を表明した。九日には政治団体「参政党」の一人が出馬表明を予定している。
 平山氏は旧民進党の公認を受けた六年前と異なり、無所属で挑む。公示後も有権者との向き合い方を変えることなく、小規模の座談会やあいさつ回りを続ける予定。陣営は「子育て世代や若手農家から要望を聞き取っている。選挙では生活者目線を訴えたい」と話す。
 山崎氏は六月に入り、選挙に向けた活動を本格化させた。二日には地元の浜松市で決起集会を開催し、七百〜八百人の支援者を集めた。集会では景気回復や物価高騰対策などを中心に演説。「地方の声を届け、政策実現の突破口にしていきたい」と訴えた。
 昨秋の参院補選の雪辱に燃える若林氏は、精力的にあいさつ回りをこなす。地域に根差した支部がある自民の足腰の強さを生かし、各支部が若林氏を「引き回し」している。現職二人はともに無所属。「責任を果たせるのは自民」と党公認を前面に出す。
 参院選では補選も含め四回目の出馬となる鈴木氏。街頭演説や支援者との意見交換を加速させている。「平和と暮らしをキーワードに、若者や子育て世代を中心に支持拡大を図りたい」と意気込む。憲法九条を生かした積極的な平和外交と生活者支援が訴えの柱だ。
 舟橋氏は「年金問題を強く訴えたい。払い損をなくすモデルにしたい」と話し、交流サイト(SNS)を中心に活動を展開している。八日に出馬表明した堀川氏は「国民とのいさかいが絶えないNHKの問題を解決しなければいけない。これが国を変える第一歩だ」と訴えた。
 今回、立民は推薦も独自候補の擁立もせず、自主投票になる見通しだ。日本維新の会も、一時は京都と静岡の両選挙区で国民との相互推薦が合意手前までいったが、自主投票になるとみられる。昨年十月の衆院選比例代表で立民は三十四万票、維新は約十六万票を取っており、票の行方が注目される。

◆現職無所属、かすむ政策 法政大・白鳥教授に聞く

 参院選静岡選挙区の構図について、静岡の政治を二十年以上にわたってウオッチしている法政大の白鳥浩教授に聞いた。
 今回の静岡選挙区は二つの点で異例と言える。一つは現職の二人がいずれも無所属で立候補する点だ。無党派層から幅広く支持を得やすくなる一方、政党の公約をアピールすることができず、政策が見えづらくなる面もある。現職二人が無所属で出ることで、選挙が政策選択ではなく、人気投票の色合いが強くなってしまうのではないか。
 もうひとつは、野党第一党の立憲民主党が独自候補を見送ったことだ。政権批判票の受け皿が狭まり、リベラル層の投票行動が読みづらくなっている。選挙戦は、自民党新人の若林氏が強固な組織を背景にして有利に選挙戦を進めるだろう。平山、山崎、鈴木の各氏ら他の陣営は、岸田政権の運営に不満を持つ有権者の支持をどう取り込むかがカギを握る。 (木谷孝洋)

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