本文へ移動

【石川】F15墜落「空間識失調」推定 小松基地報告 操縦士 平衡喪失か

2022年6月3日 05時05分 (6月3日 09時59分更新)
 航空自衛隊小松基地(石川県小松市)のF15戦闘機が一月に日本海へ墜落し、乗員二人が死亡した事故で、基地の石引大吾司令が二日、機体に異常がなく、操縦士が機体の姿勢を認識できない「空間識失調」に陥った可能性が高いとする調査結果を小松市に報告した。空自は再発防止策として異常姿勢を検知する警報や、機体が地表などへの衝突を避けるシステムの調査をする方針を明らかにした。
 空自によると、操縦士は、墜落二秒前に機体の姿勢を戻す操作をしていた。旋回の際に機体を傾け過ぎ、上昇するはずなのに機首を下げており、平衡感覚を失い、機体の姿勢を認識できない空間識失調だった可能性が高いと判断した。墜落前、前方を飛ぶ戦闘機をレーダーで捉えられていないという送信をしており、レーダーに集中して異常姿勢に気付くのが遅れた可能性も示した。後部座席の操縦士も同じように空間識失調の可能性があるという。
 事故機は、離陸後にすぐ雲の中に入り、機体を傾けたまま高度を急速に下げ、離陸から五十三秒で墜落した。墜落十九秒前に傾き始め、十一秒前以降、高度が約六百五十メートルから低下を始めた。墜落直前の速度は時速七百二十キロだった。
 石引司令は小松市の宮橋勝栄市長に面会した。面会後の取材で「調査結果を踏まえ飛行の安全に万全を期す」と話し、教育、訓練を徹底すると強調し、VR(仮想現実)技術を使った訓練装置の導入も検討すると説明した。
 墜落防止のシステムは二〇二五年に小松基地へ導入されるF35A戦闘機や民間機には一部搭載されている。宮橋市長は取材に「痛ましい事故を二度と繰り返さないよう、機械で未然に防げるのであれば取り入れてもらいたい」と求めた。
 事故は一月三十一日夕、小松市沖で起き、搭乗していた飛行教導群の田中公司一等空佐=当時(52)=と植田竜生一等空尉=当時(33)=が亡くなった。三月十一日、飛行訓練を再開した。

関連キーワード

おすすめ情報

北陸発の新着

記事一覧