本文へ移動

貴重な”レフティーCB”伊藤洋輝、衝撃のA代表デビュー 森保ジャパンのカードが一気に増えてきた

2022年6月2日 22時33分

このエントリーをはてなブックマークに追加
後半、空中で競り合う伊藤(右)

後半、空中で競り合う伊藤(右)

◆コラム「大塚浩雄のC級蹴球講座」
 とてつもない新星がA代表デビューを果たした。23歳にしてブンデスリーガのシュツットガルトでレギュラーの座をつかんだ伊藤洋輝。森保監督は今回、代表に初招集し、W杯本大会に向けた最初の親善試合で左サイドバックとして先発起用した。
 即答だった。前半6分、左サイドを一気に駆け上がると三笘のパスを受け、クロス。堂安の左足シュートはGKに阻まれたが、絶妙のクロスだった。前半だけで左サイドを深くえぐってのクロスが2本。CKからのヘディングシュートが2本。そして前半36分、伊藤が起点となって先制点が生まれた。
 自陣深い位置から左足で50メートルのロングフィード。浅野が落として原口のリターンパスで抜け出すと、ふわりと浮かしてゴール。圧巻のカウンターだった。ロングパスの本数がブンデスリーガナンバーワンを誇る。リーグ戦で苦戦し、リスクを犯すなという指揮官の指示もあったが「チームでも左足でボールを持ったときの組み立て、ゴールに直結するパスをを求められていた。それを日本の勝利に生かしたい」と話していた通り、先制点は伊藤の左足が起点となった。
 シュツットガルトでは3バックの左。この日は左サイドバックとして先発し、後半は左センターバックに入った。188センチと長身でヘディングも強く、左利き。左サイドバックは長友、中山がいるが、複数のポジションがこなせて対人プレーが強く、攻撃参加も効果的。何よりも、左利きのCBは貴重だ。
 後半14分、伊藤の不用意なパスミスが失点に直結した。未熟な部分も出てしまったが、この日のプレーで新戦力であることを猛烈にアピールした。W杯ロシア大会はサポートメンバーとしてW杯のすごさを肌で感じ、「絶対に(W杯の)ピッチに立ちたいと思った」という。その思いを、この試合にぶつけた。
 パラグアイは南米予選8位で敗退。モチベーションも低く、時差調整も不十分でコンディションも悪い。動きはよくなかった。それでも森保監督は「ハードワークでチャンスを作る。残念ながら1失点したが、ワールドカップに出るチームと出ないチームの差を見せてくれた」と選手の戦いぶりを評価した。
 さらに試合後、森保監督は選手に「ワールドカップで勝っていくためにハードワークをしてクオリティーを高めることを続けていこうと話した」という。ドイツ、スペインと同組の1次リーグを突破するためにはさらなる上積みが必要だ。
 左サイドバックのサバイバルがさらに激化した。復帰した鎌田もゴールだけでなく、左インサイドハーフとして素晴らしい仕事をした。堂安の頑張りも目立った。古橋、前田のスピードも魅力的だ。森保ジャパンのカードが、一気に増えてきた。
 ◆大塚浩雄 東京中日スポーツ編集委員。ドーハの悲劇、1994年W杯米国大会、98年W杯フランス大会を現地取材。その後はデスクワークをこなしながら日本代表を追い続け、ついには原稿のネタ作りのため? 指導者C級ライセンス取得。40数年前、高校サッカー選手権ベスト16(1回戦突破)。
おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ