明暗分けた互いの“6番変更”…オリは52試合で51通り目のオーダー 中日・立浪監督は30通り目に「反省点」
2022年5月30日 10時06分
◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇29日 オリックス8―0中日(京セラドーム大阪)
開幕前に右ふくらはぎを痛めたT―岡田が「6番・一塁」で今季初出場。これによりオリックスは、今季52試合で何と51通り目のオーダーとなった。ようやく戦列に復帰した左の大砲は、3回に右犠飛、5回に右翼線二塁打、7回には右中間にソロを打ち込んで3打点。勝利に貢献し、お立ち台で笑っていた。
柳を3回途中で降板に追い込み、リリーフも打ち込んで今季最多タイの8点を奪ってなお、オリックスのチーム総得点は12球団ワーストの139点。ただ、中嶋監督が51もの「新オーダー」を考え付くのは、得点力不足だけが理由ではなさそうだ。リーグを制した昨季も、143試合で130通りを編み出している。
一方の中日は50試合で30通り目のオーダーだった。変更点は同じ6番。前日までのA・マルティネスに代えて、郡司を指名打者で起用した。
「(昇格した)福田のDHも考えたんですが(郡司の)フリー打撃の状態が良かったので。ただ最近、打席に入ってなかったんでね。それでも最初の打席はランナーを進めてほしかったというのは反省点ですね」
立浪監督が言及したのは、2回無死二塁からの中飛。その後も左飛、空振り三振と結果は出なかった。試合前時点で宮城の被打率は右打者の3割4分3厘(102打数35安打、4本塁打)に対し、左は1割8分6厘(86打数16安打、0本塁打)。攻略のポイントである右打者を6人並べ、5安打のうち4本を打ったが、ついに得点は奪えなかった。
「次に使ってもらうときに、しっかり結果を出せるように準備したいと思います」
郡司はこう話したが、もちろん彼で負けたとは思っていない。ただ、互いのオーダーの唯一の変更点で、明暗は分かれた。それが職務とはいえ、どの監督も必死に相手投手をイメージしてゲームプランを練る。苦心して考えたオーダーの効果があろうとなかろうと、終われば頭の中では次の試合がスタートする。そう。この記事が世に出た今、すでに立浪監督が考えているのは31日に対戦する楽天・田中将をいかにして打つかなのだ。
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