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懐かしの車両と風景 「石川県の私鉄」発刊

2022年5月28日 05時05分 (5月28日 11時51分更新)
高井薫平著「石川県の私鉄」

高井薫平著「石川県の私鉄」

 昭和三十年代〜五十年代に石川県内で活躍した北陸鉄道や尾小屋鉄道を写真で紹介する「北陸の電車たち(2)石川県の私鉄」(フォト・パブリッシング)が発行された。今はなき北陸鉄道の「加南線」「小松線」「能登線」や金沢市中心部の「金沢市内線」などを走る車両を、カラーを含む膨大な写真と、形式、番号などの詳細な資料で紹介、鉄道ファン垂ぜんの一冊。
 著者は鉄道愛好家の重鎮である高井薫平さん(元鉄研三田会会長)。各地の風景の中を走る車両写真や形式のほか、各路線についての詳細な解説、記念切符などの写真、路線が存在していた時期の地図も掲載するなど貴重な資料も多数盛り込んでいる。
 金沢の市電だった「金沢市内線」はかつては北陸一の設備と陣容を誇ったが、一九六七(昭和四十二)年に廃線となり、北陸三県では金沢だけが市電の走らない県都になった。まえがきで高井さんは、次世代型路面電車(LRT)で街の活性化を図っている富山や福井と比較し「市電が走っていたらもっと気軽に金沢の町歩きができたのでは」と残念がっている。
 尾小屋鉄道は二〇(大正九)年に鉱山の輸送手段として開業し、戦後まで残った石川県唯一の軽便(けいべん)鉄道。七七年に廃止されるまで、国内最後の非電化の軽便鉄道で、その希少価値から尾小屋鉱山跡などに蒸気機関車や客車などが保存されている。廃線まで活躍した牽引(けんいん)列車が小松市内のハス畑の間を走る写真など、風景と一体となった写真が風情も感じさせている。
 全国の地方鉄道を紹介する「昭和30年代から50年代の地方私鉄を歩く」シリーズの第十六巻(第五回配本)。B5判、二百ページ。二千九百七十円(税込み)。

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