本文へ移動

機運醸成 大阪の熱意 吉村知事が初の出席 建設促進同盟会大会

2022年5月25日 05時10分 (5月25日 10時13分更新)

杉本会長ら 国への要望決議 

大会前に大阪府の吉村知事(右)とグータッチを交わす杉本知事=24日、東京都港区元赤坂2の明治記念館で

北陸新幹線の沿線10都府県の関係者が出席した大会で、あいさつする杉本知事(右)=24日、東京都港区元赤坂2の明治記念館で


 北陸新幹線の沿線十都府県でつくる建設促進同盟会が二十四日、東京・元赤坂の明治記念館で大会を開き、未着工の敦賀−新大阪間の早期整備などを国に求める決議を採択した。二〇二三年度初めに敦賀以西の着工を実現するには、今夏の二三年度予算概算要求で政府内の動きが鍵になる。北陸三県に加え、大阪府の吉村洋文知事も初めて出席し、沿線の機運が高まっていることを国に示した。 (玉田能成、山本洋児)
 杉本達治知事は昨年度の総会で就任した会長として大会に臨んだ。敦賀以西で沿線となる福井、京都、大阪の三府県のうち、京都府の西脇隆俊知事だけが代理出席だった。
 杉本知事は、環境影響評価(アセスメント)や建設残土をはじめとした施工上の課題、財源確保を含む着工五条件に触れ「しっかりと一つ一つ丁寧に解決して一日も早く着工したい」とあいさつ。石川県の馳浩知事は、大阪府の吉村知事が出席したことに言及し「改めて関西の強い意欲を感じる」と歓迎した。その上で「福井県はいまだに新幹線が通っていない。(定期便のある)空港もない。我慢ばっかりしてきた。とりわけ福井県の思いに応える、これこそ政治の役割でないか」と沿線の結束を呼びかけ、国には年内に大きな結論を出すよう要望した。
 決議には、敦賀以西に関して三〇年度までの全線整備を求めることを盛り込んだ。整備に伴う地方負担の軽減、建設中の金沢−敦賀間の二四年春開業も確実にするよう明記。大会後、すぐに政府・与党に提出した。要望活動後、杉本知事は「国は大変前向きに受け止めていただいた。いろいろな工夫をしながら考えたいという話もあったので、期待したい」と語った。大会には、JR西日本の長谷川一明社長と鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)の河内隆理事長も初めて出席。沿線の自治体、議会、経済界などから二百五十人が参加した。

ルートで「しこり」京都は動き鈍く

 福井県などが目指す北陸新幹線敦賀−新大阪間の新規着工に向けて、京都府の動きが鈍い。背景には、二〇一七年の敦賀以西ルート決定の過程で生まれた摩擦や二三年春に控える京都府議選があるとみられる。同じ関西で熱意を高めている大阪とは対照的だ。
 東京都内で二十四日にあった建設促進同盟会の大会。京都府の西脇隆俊知事に代わり出席した鈴木貴典副知事は、本紙の取材に「(知事の不参加は)日程上の理由。沿線府県とは変わらずに連携していく」と強調した。
 一方、大阪府は大会に府議十一人が出席した。吉村洋文知事は「施工上の課題に計画段階から積極的に関与し解決を図り、関西の機運醸成にも努めたい」と、トップ自ら「建設推進」と分かるあいさつ。府では昨年十二月、新幹線とリニアの議員連盟が一本化し、北陸新幹線を呼び込もうとの機運が高まっている。
 京都、大阪両府の温度差について、中堅の福井県議の一人はルート決定の過程で生まれた「しこり」が一因と推察する。敦賀以西の小浜−京都ルートは、与党が一七年三月に正式決定。福井県は希望していたルート案がほぼかなった形だったが、京都府は舞鶴市を経由するルートを主張していた。それまで協力関係にあった京都府議からは「残念」との声が上がり、溝は今も消えていないという。
 加えて来春には京都府議選がある。関係者によると、同府議会では大型公共事業に反対の共産党が第二会派と力を持ち、第一会派の自民党も足並みがそろっていない。府北部など一部地域では北陸新幹線の建設に反対する動きもある。
 自民党のベテラン県議は「京都府議会の自民党会派が一枚岩にならないと、府知事は動けない」と推し量る。県は京都、大阪への働きかけを続けている。同盟会会長の杉本達治知事はこの日、報道陣に「西脇知事も思いは同じ。重要な国家プロジェクトなので、今後はさらに協力いただけると考えている」と語った。

関連キーワード

おすすめ情報