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富山県、今月2件目情報漏えい メールに書類を誤添付

2022年5月25日 05時05分 (5月25日 12時34分更新)

▼5カ月連続でミス

 富山県は二十四日、県内の障害福祉サービス事業所の運営法人百九十一社に新型コロナウイルス抗原検査キットに関する照会文書をメールで送った際、照会とは無関係の事業所一社の非公開情報が記載された書類を誤って添付したと発表した。県の情報漏えい事案は今月二件目。
 県障害福祉課によると、二十三日に同課職員が百九十一社に抗原検査キットの追加配布に関するメールを一斉送信。直後に別の職員が、福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金の交付申請をする際に必要となる、事業所一社の賃金改善の支給額や方法などが記載された書類が添付されていることに気付いた。当該の事業所には謝罪し、送信した全法人に対して文書の削除を依頼した。
 県庁で記者会見した県厚生部の木内哲平部長は「非公表情報の外部流出を招いてしまった事業所の関係者をはじめ、県民の皆さまの信頼を重ねて損なうこととなり、おわびを申し上げます」と謝罪。再発防止に努めると述べた。
 富山県では今年一月、県くすり政策課に公益通報で寄せられた内部告発の情報を、県内の医薬品関係者二百四十人に誤送信した。以降、五カ月連続で計六回、個人や企業などの情報が外部に漏れる事案が起きている。専門家は情報に対する認識の甘さを指摘し、県に抜本的な業務改善を求めている。
 二十四日に発表された事案について、障害福祉課がミスの経緯を説明した。それによると、メールを作成した同課職員は添付ファイルを圧縮した際、中身が正しいかを確認したが、上司がファイルに誤りがあることに気づき修正。メールを作成した職員に再度、ファイルの圧縮を指示した。
 だが、職員がファイルを圧縮する前に、上司がファイル内に誤って関係のない事業所の書類を保存してしまった。職員は一度、ファイルの中身を確認していたため、誤った書類が含まれていることに気付かず、そのまま圧縮してしまったという。

識者「業務の仕組み改革を」

 公務員として約二十年の勤務経験がある滋賀大経済学部の横山幸司教授(地方自治)は「情報漏えいがここまで相次ぐ状況は異常。個人情報の取り扱いに対する認識が甘い」と批判。「出すべき情報と絶対に出していけない情報の境界を役所内で共有せず、あいまいにする自治体は全国に多い。富山県庁もそうなのではないか」と指摘した。
 横山教授は、行政が提供するサービスの多様化で、県職員が複数の業務を並行してこなす環境にも原因があるとする。県に対し「職員への注意や啓発だけでは足りない。業務の仕組みから変えなければミスは続く」と行政経営改革の必要性を訴えた。(長森謙介)

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