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<食リポ> 春日井市の給食レストラン

2022年5月23日 05時05分 (5月23日 15時52分更新)

市内の学校で実際に提供されている給食を再現したメニュー=春日井市廻間町の市少年自然の家で


 小中学生のときに毎日食べていた給食を、大人になってから懐かしく感じる人は多いかもしれません。そんな子ども時代の思い出の味に再会できるイベント「給食レストラン」が五月の連休中、春日井市で開かれました。子ども時代は毎日給食の時間を心待ちにしていた記者(24)が前回に続き、給食の話題を届けます。 (磯嶋康平)
 七日午後、開始十五分前に会場の春日井市少年自然の家(同市廻間町)に着くと、既に家族連れや高齢の夫婦らが長蛇の列を作っていた。新型コロナウイルス対策で参加人数を例年の三分の一ほどに絞ったそうだが、すさまじい人気だ。主催する市食育推進給食会の担当者によると、八日までの二日間で約四百人が訪れた。

配膳台ではエプロン姿の職員が取り分けた給食をトレーに載せていく=春日井市廻間町の市少年自然の家で

給食を楽しむ家族連れら=春日井市廻間町の市少年自然の家で

 配膳が始まったのは、午後零時半。入り口でトレーを受け取り、エプロン姿の職員にクロワッサン、ミートソースペンネ、ツナサラダ、グレープゼリー、ヨーグルト飲料の順で取り分けてもらう。同じような過程が、最後に給食を食べた中学生のときにもあったなと、おぼろげに記憶が戻る。
 席に座り、まず手を伸ばしたのは、屈指の人気メニューというミートソースペンネ。まろやかで優しい中にもトマトの酸味やコクが広がり、細かく刻まれた大豆と少し大きめにスライスされたマッシュルームの食感も楽しい。
 ツナサラダはキャベツ、コーン、ニンジンなどの野菜が入り、酢などを使った特製のドレッシング仕立て。子どものころはあまり好きではなかったが、大人になって改めて口にしてみると、あっさりと食べやすい。
 最後はデザートのゼリー。小ぶりなサイズがかえって、小学生に戻ったような気分になる。トレーの返却に向かうと、残飯入れには何も入っておらず、みんな思い出と一緒に完食したようだった。
 給食レストランは今年で九回目。二〇一三年の市制七十周年で市食育推進給食会でも何かできないかと、記念事業の一環として企画された。会の担当者は「誰もが親しみのある給食を通して、食育に興味を持ってもらえる」と話す。
 メニューは市内各学校からの聞き取りを基に、人気のメニューを選んでおり「やはりカレーやミートソースペンネは人気。意外なことにサバの銀紙焼きも好評」とか。名古屋市のベッドタウンとして転入者が多い地域だけに、「子どもたちが給食でどんなものを食べているのか知ってもらえる」効果もあるそうだ。
 コロナ以前は千五百食ほど提供し、春日井市内をはじめ近隣の小牧、尾張旭市などからも大勢が訪れるまでになった。始めた当初はここまでの人気は予想できず「最初は先着順に券を販売する形式でしたが、一時間前から列ができて大変でした」と担当者。現在は事前申し込みによる抽選方式で「なぜもっと多く募集できないのかという声もいただく」。そんな苦労も、給食が愛されるがゆえだろう。
 子どもたちが口いっぱいに頬張る姿や、家族で楽しむ姿は、かつて同級生と給食を囲んだ雰囲気そのもの。貴重な食育の場、そして、思い出の味に触れる機会。ぜひ来年、体験してみてはいかがだろう。

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