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混戦も…終わってみれば照ノ富士 綱の責任、しっかり果たす「やっと終わった」【大相撲夏場所】  

2022年5月23日 05時00分

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賜杯を手にする照ノ富士

賜杯を手にする照ノ富士

◇22日 大相撲夏場所千秋楽(両国国技館)
 縛られていたものから解き放たれ、横綱照ノ富士(30)=伊勢ケ浜=の顔にようやく笑みがこぼれた。国技館の観客が見守る土俵下で行われた恒例の優勝インタビュー。「優勝の味は?」と質問されると「う~ん、まあ、やっと終わったなという感じですね」と本音とともにほほ笑んだ。
 8日目までに3敗を喫したばかりか、大関陣も三役陣も黒星を重ねた場所をリードしていったのは平幕の力士。横綱としての責任が重くのしかかる中、「最後まで取り切る気持ちで」と周囲の状況には目もくれず、目の前の一番に集中。11日目の阿炎戦で「立ち合いで久しぶりに当たった感覚がありました。そこからじゃないですかね」と終盤でついに本来の姿を取り戻した。
 勝てば優勝という千秋楽の大一番も、「自信がないと土俵に上がるの失礼なんで。自信を持ってやってますんで」と右前まわしを引き、さらに頭をつける盤石の取り口で大関御嶽海を寄り切った。
 不安を抱えながらの場所突入だった。膝とかかとの痛みで春場所6日目から横綱として初の休場を経験。夏場所へ気持ちを切り替えたが、「筋トレとか、体調の焦りで飛ばしすぎて」。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)も「痛みは本人にしか分からない。強制的にやらせられない。万全ではなかった」と危機感を持って臨んでいた。
 しかし、苦しさの中で新たな発見が支えになった。休場中には春場所の取組をテレビで見つめていた。「本当に初めて見たというか、見ていて楽しかった。あらためて相撲の楽しさ、魅力というのを感じた」。新鮮な空気を吸うことで心をリフレッシュすることができた。
 千秋楽までもつれた大混戦を、横綱がきっちり締めた。八角理事長(元横綱北勝海)も「万全ではない中、大関が不振の中、よく精神的に頑張った。横綱昇進後、一番大変な優勝、苦しかった優勝じゃないですか。それだけに価値がある」と惜しみない賛辞を贈った。師匠も「もともと責任感があるから、体調が万全じゃないのに出てきている。その中で12勝。価値ある優勝だと思う」。照ノ富士が目標としている優勝10回まではあと3回。達成は時間の問題となりそうだ。

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