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<フォーカス>始めて四半世紀「植木植物園」 美濃加茂の森田善朗さん

2022年5月22日 16時00分 (5月24日 12時07分更新)
手作りの森に集まる野鳥=森田さん提供

手作りの森に集まる野鳥=森田さん提供

  • 手作りの森に集まる野鳥=森田さん提供
  • 野鳥が集まる森を手作りで再現した森田さん=美濃加茂市加茂野町稲辺で
  • 苗木を植え始めた翌年の様子=森田さん提供=美濃加茂市加茂野町稲辺で
 美濃加茂市加茂野町稲辺に県内唯一の「植木植物園」がある。ドウダンツツジを生産する「バードグリーン」代表の森田善朗さん(61)が本業の傍ら、自然の雑木林を手作りで再現した。苗木を植え始めて四半世紀余。今では四十種ほどの樹木が生い茂り、多くの野鳥が集まる小さな森になった。
 「ようやく思い描いていたようなイメージになってきた」。高さ二十メートル以上にもなった森を見上げながら森田さんは満足そうな笑顔を見せた。取材に訪れた時はギザギザの葉が特徴のコバノガマズミがたくさんの白い花を咲かせていた。
 森づくりを始めたのは一九九六年。敷地内に倉庫を建てた際、「野鳥のすみやすい環境をつくりたい」という子どもの頃からの夢の実現に取りかかった。二十五年前の写真を見ると、倉庫周辺はまだ「庭木」の状態。こつこつと自身で苗木を植えたり、鳥がふんを落として自然に生えたりして雑木林に成長した。
 ヒサカキ、エゴノキ、ヒカゲツツジ、ナツツバキ、ヤマモミジなど、それぞれ品種名のプレートが付けられ、約千平方メートルの範囲に四十種ほどの樹木を見ることができる。自然に近い環境になったことで、コチョウゲンボウやアトリなど珍しい野鳥も飛来するという。
 郷土の樹木に興味を持ってもらい、野鳥と人間が共存できる環境について考えてもらおうと、二〇〇一年に「日本列島植木植物園」に登録。スギで建てられた倉庫に認定プレートが掲げられている。中部地方には十二カ所あるが、県内では唯一だ。植木植物園は、植木の生産・流通に携わる事業者でつくる「一般社団法人日本植木協会」が認定。全国に六十八カ所あり、事業者の農場が環境学習の場や樹木見本園などとして活用されている。
 もともと鳥好きが高じて植木業界に入ったという森田さん。本業のドウダンツツジ生産は独学で始めた。ドウダンツツジは春に小さな白い花を鈴なりに咲かせ、秋は葉が真っ赤に色づき、生け垣にもよく利用される。現在は計一万五千平方メートルの敷地で生産。年間出荷量は六万〜七万本に上り、個人事業主では全国トップを誇る。
 「開発などで自然が壊されていく時代。野鳥がすめなくなったら人間も住めなくなる」と森田さん。名刺には「緑をふやす仕事です」とある。「農業のこういうやり方もあると提案できたら」と話す。
 植物園は見学可能だが事前連絡が必要。土日祝休み。問い合わせはバードグリーン=0574(28)2310=へ。
 (近藤晶)

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