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<あいちの民話を訪ねて> (74)薬師山林昌寺の釣り鐘(春日井市)

2022年5月22日 05時05分 (5月28日 23時09分更新)
物語にあるとおり乳頭が二つ欠けた部分を示す野田住職=春日井市林島町の薬師山林昌寺で

物語にあるとおり乳頭が二つ欠けた部分を示す野田住職=春日井市林島町の薬師山林昌寺で

  • 物語にあるとおり乳頭が二つ欠けた部分を示す野田住職=春日井市林島町の薬師山林昌寺で
  • 釣り鐘が納められている鐘楼門=春日井市林島町の薬師山林昌寺で
 春日井市林島町の薬師山林昌寺は、立派な鐘楼門を構える。門の上にある釣り鐘は室町時代の一四八九年に造られたとされ、県指定文化財になっている。
 「もとは熱田神宮近くの神宮寺にありました」。野田芳雄住職(62)が鐘の由来を語る。一五八三年に織田信長の一周忌法要のため、息子信雄(のぶかつ)や羽柴秀吉らが没収し、清洲の総見寺へ移した。第二次世界大戦中には鉄不足で、再び徴収されたが、結局使われず古物商の手に渡った。それを、信長ゆかりの寺で代々修行している林昌寺の住職が買い取った。
 鐘は高さ一・五メートル、直径八十センチほど。上部に並んだ「乳頭」と呼ばれる突起は、確かに二つ欠けている。ただ、住職は「専門家は、乳頭を取っても音の響きは変わらないとおっしゃっていました」と話し、民話のように音が小さくなる効果があったかどうかは定かではない。民間の手に渡った際にひびが入ってしまい、今では当時の音色を知ることはできない。
 だが、造られた当時では先進的だった少し角張ったデザインや、戦国武将を魅了した堂々とした風格は健在。野田住職は「昔の音色は聞けないが、これからも大切にしていきたい」と話した。
 (磯嶋康平)

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