言葉は違っても、神様はきっと ウクライナから避難の女性、神社で祈り
2022年5月21日 16時00分 (5月23日 11時41分更新)
祈るのが日課になった。「ウクライナの人たちの命を守ってください」。戦禍の国から先月中旬、名古屋市に来たイリーナ・ボルジクさん(61)は家の中で、時にはベランダに出て、娘のマリヤさん(26)とともに、故郷へ向け願う日々だ。「宗教や言葉は違っても、心は分かってくれると思う」。そんな思いでいくつかの神社も訪ねてきた。同市北区の別小江(わけおえ)神社では、静かに二人で手を合わせている。
故郷を思うと涙が止まらなくなるという。夫と病気の義母や兄弟らを残してきた。「安全な日本に着いてから、衣類や食料、家具などの支援や応援に感謝している。でも、現地では人が殺され、街が破壊されている。心は国に残っている」
ウクライナの奪還が進むと最近伝えられる東部の激戦地ハリコフに自宅がある。家の近くの空軍大学が爆撃されたのは三月一日の夜だった。一瞬明るくなり、窓が吹き飛んだ。翌朝、母娘で街を出た。すし詰めの列車に乗り、二日間かけて、西部にたどり着き、さらにイタリアに逃れる中、日本が避難民を受け入れることを知る。マリヤさんが二〇一八年から留学で約二年を過ごした名古屋市に行き先を選んだ。
二人はウクライナの戦火が収ま...
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