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マスク緩和に「理解」「慎重」 国の新方針 県内反応

2022年5月21日 05時05分 (5月21日 11時28分更新)

 厚労省が考え方発表


 新型コロナウイルス対策を巡り、厚生労働省は20日、マスク着用に関する考え方を発表した。屋外で人と2メートル以上の距離を確保できない場合でも、会話をほとんど行わなければ、着用の必要はないとしている。専門家が19日にまとめた見解を踏まえた。熱中症のリスクが高まる夏を前に、考え方を明確化した。
 後藤茂之厚労相は考え方をまとめた背景について「どういう場面で外していいのかという声や、子どもに対する影響を懸念する声がある」と記者団に説明。その上で「日常を取り戻していく状況の中でも、(マスク着用などの)基本的な感染対策は心がけていただきたい」と話した。
 考え方によると、徒歩での通勤など、外で人とすれ違うが会話がない場面ではマスクは不要とした。2メートル以上の距離が確保できれば、ランニングなど離れて行う運動もマスク着用の必要はない。

熱中症の防止に

未就学児着用を

 新型コロナウイルスの感染防止で着用するマスクについて、屋外でほとんど会話がなければ不要とする国の新たな方針発表を受け、県内では熱中症防止のために理解できるとの声が聞かれた。一方、新規感染者の二割弱が十歳未満という現状を踏まえ、二歳以上の未就学児へのマスク着用緩和には、保育の現場などから慎重な意見も。県は、国にマスクが不要となる具体的な場面を示してほしいと希望する。(山本洋児、玉田能成、波多野智月、浅井貴司)
 熱中症対策の観点では、既にマスクを着用しない動きは広がっており、大きな混乱はなさそうだ。坂井市のエンゼルランドふくい(県児童科学館)は、これまでも屋外公園でマスクの着用を求めていない。担当者は、屋外でもマスクを着用している来場者が多いとした上で「広大なエリアなので、一部の遊具を除き密になりにくい。これからは熱中症という別の心配も出てくる」と国の方針に理解を示す。
 福井市内のある小学校の管理職も、運動中や登下校中に、子どもが熱中症になる危険がある際にはマスクを外すよう指導していると説明。「外したい子もいれば、着けていたい子もいる。暑いときには声掛けは続けるが、本人の意思を尊重したい」と話した。
 反対に同市内の認定こども園の男性園長は、着用の緩和を歓迎しつつも「すぐに外すのは難しいのでは」との見方だ。感染者が出た場合、マスク着用の有無が濃厚接触者に該当するかどうかの判断基準の一つになっている点を指摘。「子どもたち本人やその家族の健康を考えるとマスクは着けていた方が良い。着用するかどうかと、濃厚接触者の基準の見直しはセットで検討するべきでは」と提案する。
 会話時に必ずマスクを着用する「おはなしはマスク」を呼び掛けてきた県も、慎重な姿勢を示す。県健康福祉部の宮下裕文副部長は「県としてどういう形で皆さんにお願いをするのかは今後検討が必要」とした上で「基本的には『おはなしはマスク』」と述べた。今後はマスクを着ける場面、着けない場面の仕分けが問題になってくるとし「国がどのようなエビデンス(証拠)を示すのか注視していきたい」とした。
 子育て世帯は、引き続き気を引き締める。長女(2つ)を持つ鯖江市内の会社経営男性(36)は「子どもがマスクをする状態がいつまでも続くのは、どうなのかと思っていた」と話す一方、保育園などで感染が広がりやすくなることへの不安が拭えないと打ち明ける。「換気や手洗いなど他のことに特に気を配り、まず大人が感染しないようにしたい」と背筋を伸ばした。

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