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左投げ右打ちの広島マクブルーム かつて中日にもいた“野球界の希少種”「初日、僕だけ左なのが恥ずかしくて…」

2022年5月21日 10時12分

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1回裏無死、マクブルームが左越えに満塁本塁打を放つ

1回裏無死、マクブルームが左越えに満塁本塁打を放つ

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇20日 広島11-5中日(マツダ)
 まだ日も沈んでいない1回にのしかかってきた4点。打ったマクブルームは、来日初どころか「多分(キャリア)初めてのグランドスラムだと思います。最高です!」と興奮していた。
 「力まず自分のやれることをやろうと思って打ちにいったんだ。最高の結果になって良かった」
 こう話した彼は、野球界では希少種の「左投げ右打ち」だ。僕が初めて見たと記憶するのはハル・ブリーデン。1976年から3年間、阪神に在籍して79本塁打を放った。次に知ったのはリッキー・ヘンダーソン。大リーグ史上1位の通算1406盗塁で、もちろん野球殿堂入りを果たしている。打っても通算3055安打。なぜ俊足がより生きる左打者にならなかったのか。随分昔だが、インタビュー記事を読んで衝撃を受けた。
 「野球を始めた時、オレの友達がみんな右で打っていたからさ」。球史に残るリードオフマンは、こんな理由で右打ちに? 長らく頭の片隅にこびりついていた逸話だが、つい最近、同じ理由で右打ちになったという左投げの元プロ野球選手を見つけた。
 「僕は小学3年生で、結成されたばかりの野球チームに入りました。その初日です。練習の最後に円になって素振りをしたんです。みんなが右。僕だけ左なのが恥ずかしくって、同じように右で振ったんです」
 球団の企画営業部で奮闘する樋口龍美さんだ。大型左腕として自由枠で2005年に入団。残念ながら1軍では投げる姿も打つ姿も見せることはできなかったが、2軍では6打席(無安打、4三振)、もちろん右打者として立っている。つまり、友達と同じになりたくて右打者になったのに、結果としてめったにいない「左投げ右打ち」選手が生まれたわけだ。
 お立ち台ではマクブルームが晴れやかな表情を見せていた。ほんの少し、人と違う。珍しくても、決して恥ずかしいことではないと、今なら分かる。野球を始めようとする少年、少女に伝えたい。自分の好きな投げ方、打ち方で楽しんでいいんだよと…。

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