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発泡ガラス 一瞬の形 神代良明さん 金沢で個展

2022年5月21日 05時05分 (5月21日 10時53分更新)
新作「極(はたて)#18」(手前、高さ63センチ、幅53センチ、奥行52センチ)を展示した神代良明さん=金沢市南町のギャラリーO2で

新作「極(はたて)#18」(手前、高さ63センチ、幅53センチ、奥行52センチ)を展示した神代良明さん=金沢市南町のギャラリーO2で

 発泡ガラスを素材に独特の表現で活躍するガラス作家の神代良明(こうじろよしあき)さん(54)=岐阜県高山市=が、金沢市南町のギャラリーO2(オーツー)で個展「神代の世界 発泡ガラス表現の構造」を開いている。「完全にコントロールするのはつまらない」。素材自身が生成する形が動きを止める一瞬をとらえたかのような作品世界が味わえる。
 発泡ガラスを型に入れて焼成し膨らませて取り出すと、今度は収縮してひび割れが生まれる。その形状の表情と、混ぜる素材で異なる造形と色が神代作品の特徴。今回は小品を含め約二十点を展示する。
 立方体が崩れる寸前で時を止めたような形の「極(はたて)」シリーズの新作「極#18」は、アルミニウム粉を混ぜ、「柔らかい感じの黒色、金属的な硬さが出てくれた」という。「この大きさ(高さ六十三センチ)で制作したのは初めてだが、いい表情が見えた」。一方、「極#13」など、白色の作品は石灰を混ぜて生まれる。発泡スチロールを思わせる軽さを感じさせる立方体にひびや裂け目が入り、食パンを裂いたようにも見える。
 タイトルの「はたて」は「果て」「極まり」といった意味がある。十四日あったトークイベントで富山市ガラス美術館の土田ルリ子館長は「破滅寸前の際にある様子をタイトルが言い当てている」と評した。
 神代さんは千葉県出身。東京理科大大学院で建築を学び、設計の仕事に携わった後、三十歳でガラス造形の道に。二〇〇三年に三十歳で東京ガラス工芸研究所に入り、金沢卯辰山工芸工房でも研さん。「国際ガラス展・金沢2004」でグランプリ。昨年の富山市ガラス大賞展で金賞を受賞。
 現在の作風を確立するまでを「挫折の連続」と笑う神代さん。「自分をゼロにし、ガラス自身が『こうなりたい』という声を引き出したい」。展示は六月五日まで。水、木曜日休み。(松岡等)

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