<老いるマンション>「終活」への備えを直視して
2022年5月20日 10時44分 (5月20日 11時44分更新)
老朽化が進み、管理の在り方が問われている分譲マンション。さらにその先には、寿命を迎えた建物をどう処分するかといった「終活」の問題も横たわる。マンション終末期の問題について著書などで警鐘を鳴らしている大阪経済法科大教授の米山秀隆さん(58)に現状と展望を聞いた。(聞き手・河郷丈史)
認定制度に課題
-4月のマンション管理適正化法の改正で、管理計画認定制度など自治体がマンション管理に関わる仕組みが導入されました。
適正に管理されていない分譲マンションが少なくないということ。マンションは古くなると、区分所有者も高齢化する「二つの老い」が進む。体力も気力も衰え、お金も出せなくなり、管理組合の機能は自然と低下していく。築40年ぐらいたつと空室化や賃貸化も進み、管理機能はさらに落ちる。このままだと荒廃したマンションが放置される恐れがあるので、管理を徹底させるため、自治体が積極的に関わっていく仕組みを入れたということだ。
一方で、国は古くなったマンションの建て替えも促してきた。だが、これまでに建て替えができたのは敷地や容積率に余裕があり、建て替え前より部屋数を増やして、売却益で費用の大半が賄える一部の...
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