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【北の富士コラム】宇良には驚かされる…宙に浮きながら相手が飛び出すのをしっかり確認

2022年5月20日 05時00分

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宇良(左)が突き落としで貴景勝を破る

宇良(左)が突き落としで貴景勝を破る

◇19日 大相撲夏場所12日目(両国国技館)
 夏場所も12日目。いよいよ佳境に入ってきた。ようやく土俵にも緊迫感が出てきたようである。ハラハラドキドキの取組も数番あり、久しぶりに私も興奮した。
 まず忘れないうちに、結びの一番から振り返ろう。照ノ富士は、優勝するには絶対に落とせない一番。対する若隆景も大関への足掛かりとなる10勝を挙げるためにも負けは許されない。予想通り、立ち合いから若隆景が右で前みつを取り十分の体勢となり、投げと寄りで積極的に攻める。相撲の流れは若隆景の思ったような理想的な展開となった。しかし照ノ富士は慌てず騒がず落ち着き払って相手に十分に攻めさせている。心憎いばかりの自信である。やがて食い下がって動く若隆景に疲れが出て動きが止まる。頃は良しとばかりに、相手に差された腕をかんぬきで照ノ富士が思いきりきめた。これで若隆景の動きが完全に止まった。ピクリとも動けない。照ノ富士が吊り上げてそのまま、きめだした。
 若隆景は全知全能をこの一番に傾けたが照ノ富士の鉄壁の強さに涙を飲んだ。呼び込まれて深く差したのが敗因であったが、立ち合いから両前みつから投げと寄りで攻め続けたがついに照ノ富士の牙城を崩せなかった。やはりこの相手をまともに攻めるには、今のままでは限界なのは今日思い知らされた。これからは打倒照ノ富士である。さてその前に、若隆景は絶対に負け越してはいけません。気持ちを切り替えて9勝はしておくべきである。
 優勝争いのほうはあと3日残されてはいるが、隆の勝が有利と見ていいだろう。しかし13日目は若隆景か。まだまだ安心はできない。一方の照ノ富士も貴景勝戦である。これも心配だ。
 佐田の海も宇良もいるので隆の勝有利はひとまずなかったことにしてもらいたい。もう頭の中はぐしゃぐしゃです。ところで宇良はやっぱり面白いね。体の柔らかさが奇跡的な逆転となったが、宇良はあの宙に浮きながら、しっかり貴景勝の体が飛び出すのを見ているのだから驚かされる。あれは明らかに貴景勝の方が先に飛び出している。
 正代と翔猿の一番も、正代の体は土俵外で死に体もいいところで翔猿のつま先は攻めている時に良くあることだ。際どい相撲は物言いをつけるべしと言った覚えはあるが、この2番は少し無理があったと思う。正代は負け越しそうになるとなぜか物言いの助け舟が出る不思議な大関である。
 それでは今日はこの辺で失礼します。これから支度するのも面倒なので北の富士カレーで我慢します。
(元横綱)
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