宇良が絶体絶命から片足で粘るウラ技で3敗キープ 宙に浮く間に貴景勝が土俵を割る【大相撲夏場所】
2022年5月19日 19時49分
◇19日 大相撲夏場所12日目(両国国技館)
強烈な押しに、体がのけぞる。土俵際、まさに絶体絶命。それでも東前頭6枚目の宇良(29)=木瀬=は決して諦めなかった。左足を軸に体を回転させ、左へと回り込もうとする。もうバランスは崩れていた。よろめくように倒れ込むが、少しでも遅くと、左足1本で驚異の粘りを見せた。
斜めになった体が宙に浮いているコンマ数秒の間に、攻め込んだ大関貴景勝の右足が土俵を割った。軍配は宇良。「分からないです」と本人も確信を持てなかったほど。物言いが付いたが、協議の結果は軍配通り。大関の勇み足にも見える突き落としの“ウラ技”で、白星をものにした。
体が柔らかく、軽やかな動きができ、そしてしぶとい。まさに宇良だからこその裏技。八角理事長(元横綱北勝海)が「足腰の柔らかさで最後残りました。宇良の良さですね」と言えば、佐渡ケ嶽審判長(元関脇琴ノ若)は「あれが本来の宇良の持ち味ですから」と話した。
思い返せば昨年秋場所、宇良は照ノ富士に挑み、豪快に投げられた。このときも体はひっくり返ったが横綱にしがみつき、飽くなき執念を見せた。当時はけがをしかねないと苦言を呈されもしたが、ただでは終わらないのがこの男だ。
6連勝で3敗をキープ。照ノ富士らと1差で隆の勝を追う立場だが「トップじゃないですし、何もないです。一つ上の人が負けることを祈ってやっているわけじゃないので、関係ないと思います」とサラリとしたもの。目の前の一番に勝つことだけに集中する。その姿勢はこの日の土俵からも確かに見て取れた。
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