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明治用水で工業用水確保の見通し ポンプ42台に増設、農業用めど立たず

2022年5月19日 16時00分 (5月19日 16時33分更新)

明治用水頭首工の取水口で増設作業が進む仮設ポンプ=19日午前10時12分、愛知県豊田市水源町で(潟沼義樹撮影)


 愛知県の矢作川から農業用水や工業用水を取水する堰(せき)の施設「明治用水頭首工」(同県豊田市)で大規模な漏水が発生した問題で、施設を所管する東海農政局は十九日午前、水をくみ上げて明治用水に流すためのポンプを追加で十七台設置し、稼働を始めた。ポンプは計四十二台となり、工業用水の必要量はほぼ確保できる見通しとなった。
 同局は工業用水に必要な毎秒三立方メートルの水を確保するためには四十四台のポンプが必要と見込んでいる。同局は、農業用水よりも工業用水の方が需給が逼迫(ひっぱく)するとみて工業用水の確保を優先したという。給水が停止している農業用水については、供給を行うためにさらに毎秒五立方メートルの水が必要となる。同局はポンプの増設に向けて関係機関などと調整を進めているが、早期復旧に向けためどは立っていない。
 また、愛知県によると、周辺の自動車関連企業などに工業用水を供給する県所管の安城浄水場(同県安城市)では、ポンプの稼働で水量が増加したとして、十九日午前十時に取水を再開した。
 頭首工は水をせき止めて水位を上げることで、用水路に水を流す施設。漏水は十五日に発生し、十七日に規模が拡大し、川からの取水ができない状態になった。上流側の川底に何らかの原因で穴が開き、水がコンクリート製の堰の地下を通り抜けて下流に大量に流れ出しているとみられる。
 同局はポンプの設置とともに穴をふさぐ応急処置も実施する方針だが、復旧のめどは立っていない。

豊田織機工場は19日夜再開

 トヨタ自動車は十九日、明治用水頭首工の大規模漏水の影響で同日の日中稼働を停止した豊田自動織機長草工場(愛知県大府市)について、同日夜間から車両生産を再開すると明らかにした。
 同工場では主力のスポーツタイプ多目的車(SUV)「RAV4」を生産。この工場に部品を供給しているトヨタ本社工場(同県豊田市)が漏水の影響で十八日夕から一部工程を止めたため、稼働を見合わせて約六百台に遅れなどの影響が出た。トヨタ本社工場は十八日の夜間稼働の途中から部品生産を再開した。井戸水などを活用し、対応した。
 明治用水は、トヨタの主要工場や部品メーカー工場など自動車関連を中心に、西三河地方の計百三十一事業所に水を供給。各工場は貯水の活用や排水の再利用などで対応している。

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