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アプリ活用、試合を分析 全国高校バスケ初戦突破へ

2019年12月20日 16時00分 (5月27日 05時35分更新)

◆浜松のベンチャー開発 活用は両校対照的 

「SPLYZA Teams」を活用した藤枝明誠高バスケットボール部のミーティング=藤枝市大洲で

 東京都で二十三日に開幕する全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ)に静岡県から男子は五年ぶりの藤枝明誠、女子は四年連続となる浜松開誠館が出場する。両校とも地元のスポーツアプリ開発ベンチャー、SPLYZA(スプライザ、浜松市中区)の試合分析アプリを駆使し、まずは初戦突破を狙う。
 「相手の攻撃スタイルを意識して練習に取り組もう」。今月中旬、藤枝明誠の練習前のミーティング。対戦校の動画を一緒に見ながら、金本鷹コーチ(29)が選手にハッパを掛けた。
 コーチがスマホで見ていたのは、SPLYZAが開発した試合分析アプリ「SPLYZA Teams」。撮影した映像をチーム全員で共有でき、プレーや選手ごとに「タグ付け」ができる。シュート成功率などグラフ化された集計データによって、相手選手の特徴も一目で分かる。
 同社に勤める金本コーチの大学時代の同級生から紹介され、今年から導入した。サッカーやラグビーなど他競技でも、中高生の部活動からプロチームまで採用実績があるという。

「SPLYZA Teams」の一場面。タグ付けをすることで、特定の場面だけを見ることも可能

 浜本健選手(三年)は「相手の特徴や自分たちの課題など、好きなタイミングで何度も確認できる」と話す。バスでの移動中や寮でも予習、復習ができるという。県予選では、アプリのおかげで相手の戦術を封じることに成功したと振り返る。
 女子の浜松開誠館も同社と契約するが、補助的な役割にとどまる。「データだけで勝てるかと言ったら、攻め切れない、守り切れない未熟な部分がある高校生は、そうじゃない。大事なのは心身と技術の育成」と三島正敬監督(44)。選手各自の動画確認に使っている。
 松岡木乃美主将(三年)は「試合によって調子や相性も変わるので、データはあまり気にしない。気持ちを強くし、自分たちのできることを大事にしたい」と語る。
 両校とも二十三日に初戦を迎える。藤枝明誠は松山工(愛媛)と、浜松開誠館は作新学院(栃木)と対戦する。

◆「上手くなる」を叶えたい 土井社長

 試合分析アプリ「SPLYZA Teams」は、Jリーグのセレッソ大阪U-23やJFLのホンダFCでも活用され、二百九十チーム以上で導入された実績がある。開発したスプライザはベンチャー企業で二〇一一年の創業当初は知名度が低く普及に苦戦したが、静岡県内の高校で部活動の先生らに直接会って、徐々に広めていったという。
 社長の土井寛之さん(44)は神戸市出身だが、二十六歳で始めたウインドサーフィンができる浜松市を創業地に選んだ。サーフィンで「動画を撮影して反省点を探したい」と思っても当時は数百万円はかかるプロ用しかなかった。「それなら自分たちでつくろう」と考え、「アマチュアスポーツマンの『もっと上手(うま)くなりたい』を叶(かな)える」の理念を掲げて創業した。
 高校の先生らにはチームの課題解決にどう活用できるかを説き、地道に採用校を増やしていった。土井さんは「先生たちは忙しくて部活に充てる時間が足りない。アプリを使えば、チームみんなで分析作業ができる。先生の負担軽減も狙いの一つだった」と語る。
(谷口武)

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