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長良川鵜飼ソファーでゆったり 今季から高級観覧船3隻導入 記者も乗ってみた

2022年5月19日 05時05分 (5月19日 22時07分更新)

ゆったりした空間が広がる高級観覧船で食事を楽しむ乗客(左)ら=岐阜市長良で

 十一日に開幕した岐阜市の長良川鵜飼。三年ぶりに通常通りの日程で開幕にこぎつけた今季、新型コロナウイルス禍からの反転攻勢の起爆剤になればと期待を集めるのは新たに導入された三隻の高級観覧船だ。料金は通常の観覧船の約三倍。そのサービス内容は、これまでの船とどう違うのだろうか。先週末の夜、観光業者の協力を得て、うち一隻の「花篝」に乗船してみた。
 いざ乗船、と靴を脱ぎかけたら、船頭の男性は「土足のままで良いですよ」。観覧船では履物をポリ袋に入れて自分で管理するのに、と思っていると、船内を見て合点がいった。座敷ではなく、縦長のソファ席が広がる。二時間以上船の上で過ごすため、高齢者や足腰が不安な人でも快適だろう。定員は十~十五人と通常の半分で、隣の人との間隔もずいぶんゆったりしている。
 日が傾いた午後六時、花篝は船頭の合図で出船した。「ギィ、ギィ」と船頭がこぐ音を聞きながらゆっくりと進む。乗客の目線は、夕日が照らす川面や新緑の金華山にくぎ付けに。約十五分かけて一キロ上流の長良川右岸に停泊すると、一そうの鵜舟が近づいてきた。
 「鵜匠さんだ」。乗客が一斉に振り向く先には、風折烏帽子に腰みの姿の杉山秀二さん(50)。杉山さんは乗客の顔を見渡し一礼すると、鵜飼いの説明を始めた。鵜匠の暮らしや鵜の性格、鵜匠でも鵜の性別を見分けられないこと…最後は目の前で鵜飼いを実演し、拍手が起こった。船上での鵜匠による説明も、高級船だけの特別サービスだ。

今シーズン新たに導入された高級観覧船「花篝」=岐阜市長良で

 乗船した日は、快晴ながら強風で気温も下がり、屋根に取り付けられた日よけ幕を下ろして風を遮った。景色は楽しめなくなるが、風雨にさらされないので安心かもしれない。
 この日、乗船していたのは、東海地方を拠点とする観光業者「まいまい東海」が主催したパックツアーの客たち。船上ではツアーの一環として、岐阜市の芸舞妓団体「鳳川伎連」が「長良川船あそび」を特別に披露していた。乗客は食事や酒を楽しみ、しとやかな舞に酔いしれた。宴が一段落すると、川上からかがり火をともした六そうの鵜舟が下ってきた。船頭が花篝を、鵜舟に近づけてくれた。
 「ジュッ、ジュッ」。手縄を引く音とともに匠の技を披露してくれたのは、鵜匠代表杉山雅彦さん(61)。どこまで近寄れるかは天候次第だが、この日は約二メートルの距離。鵜の顔つきがよく見え、たいまつの火の粉がこちらに飛んできそうなほど。最後は鵜舟が横一列でアユを浅瀬に追い込む「総がらみ」をじっくりと眺めることができた。見やすい位置取りも、高級船のサービスの一つ。
 毎年観覧する岐阜市の西脇公輝さん(57)は着物姿で参加した。下船後「これほどライブ感たっぷりに鵜匠さんの技を堪能できる空間はない」と満足げだった。
 同市鵜飼観覧船事務所によると、先週末までに百二十八隻千六百八十人の予約が入っている。期間中に複数回予約している乗船客もいるという。
 (都沙羅)

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