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「把握は15日、原因は堰下部の穴」 明治用水漏水、農政局が会見 

2022年5月18日 16時00分 (5月18日 16時00分更新)

大規模な漏水が発生し、矢作川の水位が下がった明治用水頭首工付近(手前が上流)。取水口(右岸)にポンプとホースを設置し、水路(右奥)に水を送る作業を進めていた=18日午前9時33分、愛知県豊田市水源町で(ドローンから大橋脩人撮影)

 愛知県の矢作川から農業用水や工業用水を取水する堰(せき)の施設「明治用水頭首工」(同県豊田市)で大規模な漏水が発生した事故で、堰を所管する東海農政局は十八日、記者会見した。堰の下部に穴が開いたことが原因と説明。工業用水を確保するため、ポンプを使って川から用水に水をくみ上げる応急措置を開始したと明らかにした。
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水位が下がった明治用水の水路=18日午前10時34分、愛知県豊田市水源町で(大橋脩人撮影)

 漏水の影響で、愛知県は十七日、周辺の自動車関連企業など百三十一事業所への工業用水の供給ができなくなる可能性があると指摘している。ただ、事業所に工業用水を供給する安城浄水場(同県安城市)の配水池には残量があり、十八日午前の時点では、事業所への供給は続いている。
 東海農政局によると、堰の下部に何らかの原因で大きな穴が開いており、取水できない状態が続いている。穴をふさぐ修繕工事のめどは立っておらず、当面は周辺の工場の操業を止めないことを優先。工業用水に必要な量を川からポンプでくみ上げる措置を始めた。
 工業用水に必要な量は毎秒三立方メートル。十八日午前時点でポンプ二十五台を用意し、一・七二立方メートルを確保できるめどは立ったという。近くポンプを四十四台まで増やし、必要量確保を目指す。
 ただ、農業用水にはさらに毎秒五立方メートルが必要。田植えの時期だが、東海農政局は「農業用水は何日かは待ってもらう」と話した。
 この漏水で、西三河地方八市の農地で農業用水が使えない事態となっている。

「対応後手に」農政局が陳謝

 明治用水を所管する東海農政局の小林勝利局長は十八日、記者会見を開き、十五日には漏水を把握していたことを明らかにし「これほど急激に水が抜けるとは想定していなかった。対応が後手に回り、発表が今日になってしまった。結果的に遅くなってしまったように見える点は申し訳ない」と陳謝した。
 十五日の発覚後、石を投入するなどして対応していたが、効果がなかったという。昨年十二月にも小規模な漏水があった。
 現場周辺では耐震化の工事をしていたが、漏水が起きた場所に直接影響のある掘削はしていないという。小林局長は「まったく因果関係がないというのは難しい」と説明した。

 明治用水頭首工 主に愛知県内を流れる矢作川から工業や農業用水を取り込むため、川をせき止めて水位を上昇させ、明治用水に流すための施設。1958年完成。用水路の頭首部に設置されることから「頭首工」と呼ばれる。東海農政局が所管し、明治用水土地改良区が管理している。同改良区の資料などによると、型式は「フローティングタイプ」で、堤長は167・3メートル。明治用水は1880(明治13)年に通水し、これにより流域の水田面積が拡大、農業が発展した。


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