立浪監督が石橋のタッチに苦言「コリジョン把握してないのか…」DeNA今永の“魔球”の中で痛恨の先制点献上
2022年5月18日 10時21分
◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇17日 中日0-4DeNA(バンテリンドームナゴヤ)
6回、DeNA・牧の9号が出たところで僕は白旗を手に持った。それほどまでに今永はすごかった。久々に“魔球”を見た。曲がりもしないし、消えるわけでもないのに当たらない。“魔球”の名はストレート。中日の打者は26回空振りしたが、実に19回がストレートだった。つまり、狙っていても、ボールはバットの軌道の上を通過した。
だからこそ、息詰まる投手戦に持ち込まねばならなかった。主導権を握られた4回の1点。1死からの連打で二、三塁。7番の嶺井を迎えて、中日ベンチは内野に前進シフトを敷かせた。1点もやらないという意思表示。小笠原もゴロを打たせた。弱いながらも遊撃・三ツ俣のほぼ正面。ただし、待ち構える石橋への送球が少し右にそれた。その分だけ、タッチが遅れた。判定はアウトも即座に三浦監督がリクエスト。検証結果を待つまでもなく、場内に流れたリプレー映像で差し違えを覚悟した。
「コリジョン(ルール)をちゃんと把握していないのか、手だけで(タッチに)いってしまった。捕ったら覆いかぶさってもいいのに…。(送球が)それたのもありますが、先に点をやったら厳しいですよね」
記録は野選。立浪監督は石橋のタッチに苦言を呈した。失礼ながら三走の宮崎は鈍足。しかも左太ももを痛め、15日にようやく戦列に復帰したばかりだった。内野のポジショニング、走者のスピードとコンディション、この時点ですでに今永に6三振。全てを考慮しても、防ぎたかった1点だった。
ヒーローインタビューで、今永が「きょうはツキがあると思った」と振り返ったワンプレーがある。1回、2死一塁。右翼後方を襲ったビシエドの飛球を、フェンス際で楠本が好捕した。一方で4回の1点を、DeNA・三浦監督は「宮崎の足が(タッチより先に)入ったように見えた。うまくスライディングした」と喜んだ。どちらも紙一重。しかし、9イニングを戦い終えた結末は、クッキリと差がついていた。
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