ミケルソンはもうツアーに戻ってこないのか…全米プロ選手権出場リストから消えた前年覇者の名【武川玲子コラム】
2022年5月18日 06時00分
男子メジャー第2戦、全米プロ選手権(米オクラホマ州)は今週の19日に開幕する。しかし前年覇者のフィル・ミケルソン(米国)は13日、出場しないことを選択した。
主催する全米プロゴルフ協会(PGA)のホームページでは前週まで、出場選手リストにミケルソンの名前が掲載されていた。これを機にツアー復帰を期待していただけにとても残念な決断だ。
今大会は昨年、キアワアイランドで開催された。ミケルソンが50歳のメジャー最年長記録で勝利すると、18番フェアウエーにはコロナ禍にもかかわらず、多くのファンがなだれ込んだ。「レフティ! レフティ!」の大歓声はミケルソンの人気を示すシーンでもあったから、記憶している人も多いだろう。
1991年にアマチュアで米ツアーを制してから30年。生涯のライバル、タイガー・ウッズ(米国)と全盛期を同じくし、通算45勝を挙げた。世界ランキング1位に就いたことは一度もないが、ウッズと人気を二分し、ゴルフ界をけん引してきた。
が、昨年11月に受けたインタビューでPGAツアーを大きく批判し、一気に非難の的となってしまった。その結果、謝罪することになり、スポンサーのほとんどを失った。「ゴルフから距離を置く」と自らツアー欠場を発表し、現在も続いている。こんな転落を誰が想像できただろうか。
ミケルソンはもとよりサウジアラビアの新リーグ設立に賛成する。6月に開幕する予定のグレッグ・ノーマン率いる「リブ・ゴルフ・インビテーショナルシリーズ」に参戦するとみられる。一方で「ギャンブルで4000万ドル(約49億円)損失」と報じられ、新リーグ参戦は経済的理由ともうわさされる。
3度の勝利を挙げた4月のマスターズ・トーナメントに続き、全米プロ選手権の欠場。次にミケルソンのプレーを見られるのが6月の新リーグとなると、本当にもう米ツアーに戻ってこないのかもしれない。
(全米ゴルフ記者協会会員、写真はAP)
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