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正代に軍配があがった一番、物言いをつけるべきだった 豊昇龍の方が分が良いと思う【北の富士コラム】

2022年5月16日 05時00分

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際どい勝負となった正代(右)と豊昇龍の取組

際どい勝負となった正代(右)と豊昇龍の取組

◇15日 大相撲夏場所8日目(両国国技館)
 本日はラジオの解説日。2日間、ゆっくり休養させてもらったので、すっかり元気回復。胸の痛みも全快した。中日の相撲を十分に楽しもうと思っていたが、凡戦続きで思ったより楽しめない。王鵬と琴勝峰の高校の同級生どうしの対戦だけが熱戦だった。
 勝負は激しい王鵬の突っ張りに、琴勝峰も応戦して一歩も引かない。やはり若手は小細工をしないで、正々堂々と真っ向勝負をするべきだ。勝負は時の運。結果を気にせず、自分の持てる力を出して戦うことが大事である。そんな相撲にお客さんは惜しみなく拍手をおくってくれるのであります。
 今のところ、琴勝峰が一歩先を行っているが、どちらかが引退するまでライバル関係が続いてもらいたい。いずれ両者が千秋楽の結びの一番で、優勝を争うことになるだろう。
 後半戦に入っても割合、淡泊な相撲が続く。若元春が1敗の碧山を一気に押し出したが、こんな相撲もとれるのかと思ったほど、予想外の強さだった。体は細身に見えるが「相撲力」が思ったよりあるのだろう。不調の弟、若隆景にこの元気を分けてあげたいくらいだ。
 若隆景は左で前みつを取り、良い体勢になったが、一向に攻めない。相手の上手ばかりを警戒し、前に出ない。先場所はまわしを取ったら、強烈に引き付け、相手の腰を浮かせてから、速い攻めで自分の相撲を取りきる。それだけを考え、気がついたら優勝。まさに無欲の勝利であった。
 今場所の若隆景は勝ちたい、負けられない。期待に応えたい、の気持ちが強く、先場所のような強気の相撲が全く取れていない。後半戦は上位陣との対戦が始まる。今の上位陣は、全員不調である。勝てない相手ではない。まだ10勝の道は残されている。「男ならやってみろ」である。
 ところで、あぶなく忘れるところであった。正代と豊昇龍の一番だが、あの相撲は豊昇龍の方が分が良いと思っている。正代に軍配があがった時、これは物言いがつくと見ていたが、物言いもつかなかった。
 土俵際で正代の寄りを下手から投げを打ったのが豊昇龍。確かに体も倒れてはいたが、その前に正代の右足の甲が完全に返っていた。テレビの画面と土俵下で見るのは、確かに違うのは、私も審判部を長くやっていたのでよくわかっている。あの場合、あの体勢を見られるのは正面だけ。足元を見られるのは、向正面の2人の審判である。東西の審判には見えません。際どい時は、空振りでも良いから、物言いはつけるべきです。あれは豊昇龍は悔しいと思います。朝青龍だったら大変だったでしょう。2敗なら、先頭を走っていたので。この1敗は大きい。
 でも、こんなことは誰でも一度や二度は経験していると思う。気を落とさずに頑張ることだ。
 照ノ富士はやはり押し相撲には合口が悪そうだ。何とか千秋楽まで取ってくれたらありがたい。今場所の優勝成績は、良くて12勝3敗。下手をすれば、11勝で決定戦だって考えられる。
 ひどい場所になってきたものだ。おかげで原稿も筆が進まない。一体どうしてくれるつもりか。何ですか?「おまえに才能がない」ですと。それはその通りであります。今夜は麻婆豆腐にチャーハン。ちょうど午後8時、鎌倉殿の13人を見ます。頼朝役の大泉洋がいい味を出している。同じ北海道人なので声援を送りたい。(元横綱)
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