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<はじめの一歩> ノルディックウォーク 袴田勝憲さん

2022年5月16日 05時05分 (5月16日 09時49分更新)
夫婦で湖畔を歩く袴田勝憲さん(右)と紀子さん(左)=浜松市西区の佐鳴湖で

夫婦で湖畔を歩く袴田勝憲さん(右)と紀子さん(左)=浜松市西区の佐鳴湖で

  • 夫婦で湖畔を歩く袴田勝憲さん(右)と紀子さん(左)=浜松市西区の佐鳴湖で
  • 湖畔を歩く佐鳴湖ノルディック・ウォーク健歩会の皆さん=浜松市西区の佐鳴湖で
  • 静岡理工科大の富田寿人教授
 人生百年時代。長い旅路の後半をどう生きるのかは、誰にとっても切実な問題だ。趣味や仕事、ボランティア、自治会活動…。可能性は無限に広がる。県内には、生き生きと人生を楽しむすてきなシニアがたくさんいる。あなたも「はじめの一歩」を踏み出してみませんか。

◆ポール手に広がる世界

 両手に持った二本のポールが、リズムよく交互に動く。水辺の木々の芽吹きや鳥のさえずりに、思わず笑顔があふれた。
 「季節で景色が変わる。会社員のときは外に出るのは昼食くらいで、季節を感じることもなかった」
 浜松市西区の袴田勝憲さん(63)は毎週水曜、「佐鳴湖ノルディック・ウォーク健歩会」の仲間と、歩く楽しさをかみしめている。
 両手に持ったポールで交互に地面を突いて歩くノルディックウオーキング。全身を使う一方、ポールが膝や腰への負担を減らすとして、シニア世代で広がっている。
 健歩会の会員は五十代から八十代まで約五十人で、平均七十歳。週に一回、佐鳴湖(同市西区など)公園や市内の名所を歩いている。ホームグラウンドの佐鳴湖は住宅街にある水辺で、一周六キロ。二時間ほどかけて歩くコース沿いにはサクラやツバキ、アジサイなどの木々や野鳥も多く見られ、会話にも花が咲く。
 大手コンビニ会社の執行役員だった袴田さんは五年前、義父の介護のために退職。健康維持のため毎日自宅周辺の散歩を続け、右膝を痛めた。翌秋、浜松市が主催するノルディックウオーキングに関する講座の案内を見て、膝への負担が減ると知り、同じく膝を痛めていた妻紀子さん(64)と参加した。プレゼント企画で袴田さんにポールが当たり、夫婦で始めた。
 同市で開かれた大会で健歩会の久嶋(きゅうしま)茂会長(83)に誘われ入会。「最初は六キロが長かった」が、指導役のリーダーが横について歩いてくれた。歩くフォームも改善され、次第に膝の痛みもなくなったという。
 続ける上で仲間ができたことが大きかった。愛知県出身の袴田さんは婿養子で浜松市に来たが、海外や県外勤務が多く、退職当時、地域に幼なじみや友人はほぼいなかった。隔週で佐鳴湖以外の場所にも出かけ、さまざまな名所を一緒に歩くうちに親交が深まり、浜松の自然や歴史、地理も教わった。
 会社員時代に広報を担当していた袴田さんのノウハウも会の運営に生きている。現在も実施中の浜名湖一周のコースを企画した際には、良さを広く知ってもらおうと新聞社に取材依頼文を送りPR。「取り上げられればメンバーの誇りにもなる」
 会のほかに、夫婦で毎週土曜にはままつフラワーパーク(西区)も散策する。「歩く習慣が身に付いた。車や自転車では見つけられない発見がある」。目標は、最高齢で会員を引っ張る久嶋会長のように八十歳を超えても歩き続けること。夫婦で全国の大会に出場するのが夢だ。 (山本真嗣)

<ミニ情報> 講習会や大会も

 県内の普及団体には、県ノルディック・ウォーク連盟(湖西市)、県ノルディックウォーキング協会(静岡市)などがあり、それぞれ、指導者の育成や派遣、講習会、大会などを行っている。浜松市は健康増進事業として推進しており、ホームページで歩き方やポールを使ったストレッチの動画、市内の名所を巡るコース、愛好団体などを紹介。ポールの無料貸し出しもしている。(問)健康増進課=053(453)6125、佐鳴湖ノルディック・ウォーク健歩会(久嶋さん)=090(8540)6067

<ワンポイントアドバイス> 最初は教わり無理なく

 ノルディックウオーキングの運動効果や効果的な歩き方を長年研究している静岡理工科大(袋井市)の富田寿人教授(63)によると、通常のウオーキングに比べ、腕や肩の周りの筋肉を積極的に使うため、歩き方によって消費カロリーが10〜20%上がる。主に健康な人の体力強化などを目的に、ポールで体を前に押し出す歩き方や、膝痛などで歩くことに不安がある人がポールで体を支えるようにして歩く方法などがある。前者の場合、腰が落ちずに背筋が伸び、歩く姿勢が良くなる効果も見込める。
 ポールの長さや使い方で歩き方や運動の負荷が大きく変わるため、最初は、普及団体などの指導員の資格がある人に教わり、自分の目的や健康状態に合うようにすることが大切だ。

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