一度調子崩すと臍を曲げてしまう牝馬だが…ソダシの須貝厩舎は『乙女心』をよく理解している【本城雅人コラム】
2022年5月16日 06時00分
◇コラム「ぱかぱか日和」
昨年のこの時期は無敗のG1馬として、人気だけでなく実力的にも高く評価されていたソダシだが、今回は4番人気。ダートとはいえ、前走のフェブラリーSでは3着に入ったのに、人気は上がらなかった。やはり牝馬は気まぐれで、一度調子を崩すと臍(へそ)を曲げてしまう。2度と勝つことなく引退してしまう馬が多いからだろう。オークス8着、その後に札幌記念は勝ったが、秋華賞10着、チャンピオンズC12着…。その3戦の大敗の記憶はなかなか消えないものだ。
だが須貝調教師は桜花賞をレコード勝ちしたこの馬の力を信じ、見事に立ち直らせた。ダートを使った時はこの馬の血統的背景から新境地を求めたのではなく、あくまでも1600メートルがベストという考えを基本にレーススケジュールを練ったのだろう。ただでさえ美しい白毛が、筋肉の張りで馬体は輝いてみえた。
吉田隼人騎手も1番人気馬のような自信満々の騎乗だった。今年は金子オーナーのポタジェで大阪杯、須貝厩舎のショウナンナデシコで交流G1のかしわ記念を制覇。近年は関西の厩舎からも信頼を得て、チャンスをものにしている。今年はずっと前を歩かれていた同期の川田騎手とG1の数を争うのではないか。
終わってみれば実力通りの結果といえるが、1番人気のレイパパレはソダシとほぼ同じ位置にいて初めての2桁着順の12着、2番人気のソングラインも5着に敗れた。最低人気のローザノワールが田中勝春騎手の味のあるペース配分に導かれ鼻差の4着に粘ったように、やはり女性の気持ちを読むのは難しい。「牝馬の〇〇」と呼ばれた名騎手、名調教師たちのすごさを改めて思い知らされた。須貝厩舎もG1・14勝のうち牝馬で6勝目だ。ゴールドシップやジャスタウェイを輩出した厩舎に「牝馬の~」と冠をつけるのは失礼だが、乙女心をよく理解する、やさしい厩舎であるのは違いない。(作家)
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