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春の訪れと生命力 駐名古屋トルコ総領事 ウムット・リュトフィ・オズテュルク

2022年5月15日 05時05分 (5月15日 10時09分更新)
イスタンブールのハナズオウ

イスタンブールのハナズオウ

  • イスタンブールのハナズオウ
  • 筆者の目でとらえた名古屋城の桜風景
 日本で初めて桜の季節を体感するということで、わが家は三月中旬から興奮に包まれていました。その時季が訪れると、山崎川、名古屋城とその周辺、鶴舞公園などの人気スポットで、私たちもにぎわう群衆に加わりました。美しい風景に感動しながら、モクレンと桜の間から自然の目覚めをうかがい知ることができました。桜の下から空を見上げると、過ぎてゆく時間の中で、新しいものが古いものにとってかわる流れは、常に続いていることを自然は私たちにそっと教えてくれました。
 三月下旬、そよ風の吹く夕方に、日本の友人たちと一緒に伝統的な料亭松楓閣に行きました。料亭の庭にある桜の木が、月明かりに照らされながら踊る様子は忘れられない美しさとして記憶に刻み込まれています。取り壊されることを知り、切なさを感じたこの歴史ある場所の自然と文化を味わう機会をいただき、幸運に思います。
 名古屋の桜の季節は、イスタンブールの「ハナズオウ」の季節のようだと思いました。四月下旬〜五月上旬に、ハナズオウの番がきます。こちらもまた、葉が芽吹く前に春の訪れを告げる紫がかったピンクの花を咲かせます。まるでイスタンブールをその色で彩るこの木の季節には、さまざまなツアーが催行され、お祭りが開催されます。いわば、ボスポラス海峡にも花見の風景が広がるのです。イスタンブールがハナズオウの色を帯びると、ボスポラス海峡の両岸からあふれてくる平穏と生命力が周りに広がります。
 私たちの願いは、春の訪れを告げる桜とハナズオウが平和と繁栄の前触れでもあってほしいということです。世界のさまざまな地域で起こっている紛争、戦争、自然災害、貧困などの状況下で、何百万人もの人々が将来への希望を失うことなく懸命に人生を歩んでいます。
 トルコとしては、周辺地域やその他の地域で戦争が終結し、子供たちが生き続け、母親が泣くことなく、平和が確保されるように友好国と協力し、全力を尽くし続けます。花咲く木々の下で希望を持って未来を思い描く権利は、誰しも与えられたものだと思います。(駐名古屋トルコ総領事 ウムット・リュトフィ・オズテュルク) 

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