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相次ぐ高齢者施設での虐待、職員の心理ケアが急務 立石智保(岐阜報道部)

2022年5月15日 05時05分 (5月15日 05時05分更新)
判決後に会見する裁判員。この裁判は検察側の立証が複雑で、裁判員が質問する場面はほとんどなかった(一部画像処理)

判決後に会見する裁判員。この裁判は検察側の立証が複雑で、裁判員が質問する場面はほとんどなかった(一部画像処理)

 「推理小説のようだ」。判決文を一読した元検事の国田武二郎弁護士の感想が、いかに難しい裁判だったかを言い表していた。同時に裁判は、どうすれば介護施設での高齢者虐待を防ぐことができるのかという難題を残した。
 岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で二〇一七年、入所者二人に暴行を加えて死傷させたとして、傷害致死と傷害の罪に問われた元職員、小鳥剛(おどりたけし)被告(36)の裁判員裁判。岐阜地裁(出口博章裁判長)は三月、求刑通り懲役十二年の判決を言い渡した。被告の無罪主張を退けた地裁の認定は、「犯行が現実的に可能だったと考えられる人物は被告しかない」という異例の消去法だった。

犯行の直接証拠なく

 犯行の目撃証言などの直接証拠はなく、一九年二月の逮捕当初から小鳥被告は一貫して関与を否認。公判で弁護側は、介護事故の可能性を指摘し、検察側が主張する犯行時間に被告は「二人の介助をしていた」と訴えた。
 事件は認知症患者らが入居する二階の二人の居室でそれぞれ起きた。検察側は、外部からの侵入者や、二階以外の職員、被告以外の二階職員の犯行の可能性を排除し、被告の犯行を立証しようとした。
 被告と被害者が居室...

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