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三方湖の成魚フナを缶詰に 若狭高生ら開発

2022年5月15日 16時28分 (5月15日 16時28分更新)
缶詰を開発した若狭高生徒らメンバー=若狭町鳥浜で

缶詰を開発した若狭高生徒らメンバー=若狭町鳥浜で

 三方湖の伝統のたたき網漁のフナを使った「寒ぶなの煮付け」の缶詰を小浜市若狭高海洋科学科の生徒が中心となって開発した。同校によると、フナの成魚を使った缶詰は日本初。開発には一年以上かけ、地元で食べられるフナの煮付けに近いしょうゆ味に仕上げた。三年小津美都波さん(18)は「日本一おいしい仕上がりになった」と自信を見せる。販売は十六日から。売り上げの一部は三方五湖の環境保全に使われる。(林侑太郎)
 江戸時代から続くたたき網漁は年々漁師が減っており、現在は八人ほど。漁期が冬であることから観光客が多く訪れる夏にフナを提供できない課題があった。缶詰の開発は、伝統漁法の後継者確保につなげようと、県里山里海湖研究所の樋口潤一研究員(44)が発案。缶詰に加工することで一年を通して販売でき、漁業者の収入の安定や湖魚の知名度向上につながる。
 昨年三月に地元の鳥浜漁協と若狭高に製品化を持ち掛けた。同校では二〇二〇年に宇宙食に使われたサバ缶を開発した実績があり、小津さんら同科の生徒三人が、課題研究の授業で取り組むことになった。
 生徒らは三方湖のフナを試食した後、昨年六月ごろから開発に着手。味付けは同漁協の田辺喜代春組合長(71)が示したしょうゆ味の煮付けを参考にした。砂糖、みりん、酒の配合を変えた三十種類の試作品を作り、八回の試食会を重ねた。今年一月に配合を最終決定し、サバ缶などを製造する福井缶詰=小浜市=に製造を依頼。必要なフナ五百三十匹を三月末までに田辺さんら漁師が調達し、完成にこぎ着けた。
 完成した煮付けは砂糖が効いた甘めの味。一一六度で加熱してほろほろに軟らかくなった身と、手作業で入れたフナ卵のつぶつぶした食感が楽しめる。味の監修をした田辺さんは「地元の家庭で食べられる味にとても近い。ごはんにもお酒にも合う」と太鼓判を押す。
 今月十三日に若狭町鳥浜の町漁業体験施設でお披露目会が開かれ、生徒や樋口さん、田辺さんら関係者が出席した。寺田帆花さん(17)=同校三年=は「ベストな配合を見つけるのは難しかったが、おいしい缶詰になったと思う」と振り返った。橋本結良さん(17)=同=は「どの年代でも食べやすい甘い味。地元の人にもぜひ食べてほしい」と笑顔を見せた。
 缶詰は一個百七十グラム、千円。千三百個を用意した。同町鳥浜の県年縞博物館内の喫茶店「cafe縞」などで販売する。

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