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信長時代の古材かも 「最愛の女性」吉乃が眠る江南・久昌寺、解体を一時中断

2022年5月14日 05時05分 (5月14日 12時25分更新)
解体工事を一時中断する久昌寺の本堂や庫裏=13日、愛知県江南市で

解体工事を一時中断する久昌寺の本堂や庫裏=13日、愛知県江南市で

  • 解体工事を一時中断する久昌寺の本堂や庫裏=13日、愛知県江南市で
  • 古材が残っている可能性がある久昌寺の庫裏の土間=2月3日、愛知県江南市で
 織田信長の側室・吉乃(きつの)が眠る愛知県江南市の久昌寺(きゅうしょうじ)の建物に、信長と同時代の天正年間(一五七三〜九二年)の古材が使われている可能性があることが、専門家の調査で分かった。後の時代に建てられた現在の本堂や庫裏は、老朽化のため九日から解体工事が始まっていたが、市が所有者に要望し急きょ中断された。
 寺を巡っては解体の方針が明らかになって以来、歴史ファンや地元住民から惜しむ声が上がっていた。市が古材の有無を調査するといい、建物が一転して保存される可能性が出てきた。
 久昌寺は吉乃の生家、生駒家の菩提(ぼだい)寺で、市史などによると、一三八四年に創建。現在の本堂は大正期の一九二五年、庫裏は江戸期の建築とされ、老朽化で維持が困難となり、寺の所有者が解体を決めた。跡地は市が買い取り、公園として整備する方針だった。
 工事中断のきっかけは、「愛知県国登録有形文化財建造物所有者の会」の長谷川良夫名誉会長(90)が四月に行った調査。庫裏の土間から部屋に上がる部分の木材に、江戸時代にのこぎりが普及する前に製材に使われていた、のみの痕跡を確認した。江戸時代は藩が材木を管理し、利用に制限があったことから材木を再利用した可能性があるという。
 長谷川さんは今月六日、市に調査報告書を提出し、「天正年間の古材があれば国の重要文化財になる可能性もある」と保存を要望。それを受け、市は所有者側に解体中断を提案した。
 吉乃は信長の「最愛の女性」と言われ、信長の長男信忠、次男信雄、長女徳姫を生んだとされる。
 (小中寿美)

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