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能登峨山キリシマ 危機感 生産者高齢化「何とか続けたい」

2022年5月14日 05時05分 (5月14日 13時10分更新)
深紅の能登峨山キリシマが並ぶ展示即売会=穴水町上中で

深紅の能登峨山キリシマが並ぶ展示即売会=穴水町上中で

▽穴水で展示即売会

 穴水町上中地区で古くから栽培され、鮮やかな深紅の花が特徴のツツジ「能登峨山(がざん)キリシマ」。十三日に上中集会所で展示即売会(十五日まで)が始まったが、高齢化で生産者の数が年々減少する。即売会を主催する上中園芸組合の白坂優子組合長(66)は「あと五年続けられるかどうか」と危機感をにじませる。 (森本尚平)
 地域の魅力づくりや活性化のため、地域住民が一九九二年に組合を設立。当初は生産農家が二十軒あったが、現在組合員数は十二軒に減り、今年の即売会は六軒が出品した。
 昨年の即売会は七軒。昨年限りでキリシマの栽培をやめた同町越渡の表幸枝さん(85)は「若い時はおもしろくて夢中になって育ててきたけど、年齢には勝てない。ここらが潮時と思った」と話す。同地区周辺は雪が多く、育てたキリシマの周りに杭を立て屋根を作るなど雪害対策が不可欠。特に昨年と今年は降雪が多かった。三十年以上栽培を続けた表さんだが「雪下ろしくらいなら何とか一人でできるけど、杭を立てたりするのが難しくなってきた」と苦渋の決断をした。
 組合によると、組合員の平均年齢は七十五歳。生産者の多い上中地区は八世帯、桂谷地区は十世帯と、少子高齢化が進む町内でも過疎化が顕著な地域となっている。白坂組合長は「若い人はほとんどおらず後継者を育てるのも難しい」と頭を悩ませる。キリシマは毎年同じ土地で育てる連作ができず、組合では休耕田などを活用して栽培するため、他地域で続けるのも困難だという。
 組合員で最高齢の坂本孝仁(こうに)さん(86)は「生産者がどんどん減っていくのは寂しい。体が元気なうちは続けていきたい」と話す。
 即売会初日は、生産者六軒が深紅のキリシマのほか、ピンクや白、黄色など丹精込めて育てたツツジを並べ、町内外から訪れた人たちが品定めした。長年のキリシマ愛好家という小松市の小金丸(こがねまる)一幸さん(80)は「前はもっとたくさんの生産者が会場中に花をずらっと並べていたが、今は少し寂しい。こんなにきれいな花なのでこれからも続けてほしい」と願う。
 昨年に続き今年も上中集会所だけでなく、町中心部やのと里山海道穴水インターチェンジから近い同町平野の広場でも販売。白坂組合長は「販売する組合員が五軒を切ったら集会所ではなく、広場だけで販売しようかとも考えている。何とか続けたいが、歯止めがかからない」と話す。即売会は午前九時〜午後五時。

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