第1回はバンカーショットの基本
2022年5月12日 11時18分
新レッスンスタート
今回からプロコーチの辻村明志(はるゆき、46)さんによるレッスンが始まります。辻村さんは女子プロの上田桃子(35)=ZOZO、松森彩夏(27)=スターツ、吉田優利(22)=エプソン=らを指導。選手目線に沿った教え方には定評があります。来年3月まで、シンプルで分かりやすいレッスンをお届けします。 (取材・構成 堤誠人)
砂を真っすぐ 飛ばす感覚
こんにちは、プロコーチの辻村明志です。今回から約1年間にわたり、私が普段、プロ選手に伝えていることをシンプルにお伝えします。ぜひ、参考にしてください。
まず第1回は、バンカーの基本的な考え方を説明します。バンカーで力強く打つ人をよく見かけますが、力任せに砂をたたいても球は飛んでくれません。覚えてほしいのは、最小限の力を最大限に球へ伝える感覚です。30ヤードくらいの距離のあるバンカーをしっかり打てるようになることで、バンカーの技術は必ず向上します。
普段から、必ずプロにやってもらう練習があります。真っすぐ立って、真っすぐ球を飛ばすことです。皆さんは、バンカーといえば「切る」動きを覚えてしまいがちですが、まずはターゲットに対して平行に、真っすぐ立つこと。そして、スイングの軌道を平行に、真っすぐ体の前で通すことがバンカーの基本です。
構え方ですが、グリップは力を抜いて、クラブが運動できるように柔らかく握ってください。左足はオープンになっても構いませんが、体は真っすぐに向けてください。
大切なのは、砂を真っすぐ飛ばす感覚です。バンカーから遠くへ飛ばすためには、砂の飛ぶ量を最小限にとどめておかないと飛びません。クラブヘッドは平行に放り出します。このロングショットが打てるようになれば、あとは立ち方のオプションです。まずは、この基本を覚えてください。
また、スライス軌道の球を打っても遠くへは飛びません。カットではなく、ストレートか軽くドローを意識します。あまりバンカーからドローを打った経験がないかもしれませんが、軽くドローがかかるイメージを持ちます。そうすると球は砂を薄く取って、遠く飛ばすことができます。
練習で大切にしてほしいのは砂の飛ぶ量と方向です。真っすぐ、できるだけ遠くへ飛ぶのが基本です。左方向へ飛ぶのは良くありません。基本通りに打つと自分の力を使わずに、ヘッドの重さを球へ最大限に伝えることができます。
まずは、距離のあるバンカーが打てるようになることです。砂は力で打ちにいかず、ヘッドの重みで打つようにします。ヘッドの重みを楽に、平行にターゲットへ飛ばすようなイメージで打ってみてください。ターゲットに向けて、クラブをすっと放り投げる感覚で練習すれば良いでしょう。イメージとしては、カレー皿くらい浅くヘッドが動くことが理想です。
バンカーの基本は、スイングの軌道は体の前を真っすぐ通すこと! 少し左に開いても、真っすぐ振るようにしてください。そして、砂が遠く、真っすぐ飛ぶようなイメージを持って練習してください。
【辻にぃ 心の声】コースマネジメントの重要性
前週は女子ツアーの今季メジャー大会第1戦、ワールドレディスサロンパスカップで選手のキャディーを務めました。会場の茨城GCさんのコースセッティングが、とても素晴らしかったです。グリーンはスティンプ(速さ)が13フィートあまりでコンパクション(硬さ)が24.5と硬く、整備も行き届いていました。
茂木宏美プロのコースセッティングも、ピンポジションなど選手に一打一打を考えさせるタフな設定でした。行って良いところと良くないところがはっきりしていて、しっかりとしたコースマネジメントが必要な大会でした。
今回は、まずティーショットをフェアウエーに置くことが絶対でした。ラフに入れるとパー4だと2打目でグリーンの良い位置に止めることが難しくなるので、とたんにマネジメントが厳しくなります。終わってみれば、ショットの正確性が順位に表れたと思います。
ツアーでは日ごとにピンポジションが変わります。ゴルフは、どこに打つのがベストかを考えながらピンからグリーン、フェアウエー、ティーと逆算していきます。難しいコースを回ると、その日の調子の善しあしや技術の巧拙が表れます。今回のようなコースで何試合もできるようになれば選手も変わってきます。
▼辻村明志(つじむら・はるゆき) 1975年9月27日生まれ、福岡県出身の46歳。11歳でゴルフを始め、千葉・学館浦安高時代に関東ジュニア選手権高校男子の部、関東高校選手権など優勝。日大では関東学生選手権優勝、朝日杯争奪日本学生選手権2位など。2000年8月にプロ転向し、01年9月に下部ツアーのアイフルチャレンジカップ・オータムで2位となった。11年以降に本格的にコーチとなり、女子を中心に多くのトッププロを指導している。
鎌ヶ谷カントリークラブ(千葉県鎌ケ谷市中沢1348)
(電)047-444-4111(代表)
(電)047-444-4111(代表)
(毎月第2・4木曜日の紙面に掲載)
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