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【北の富士コラム】今は熱海冨士に熱を上げている。この力士は必ず大関横綱になる男である

2022年5月12日 05時00分

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熱海冨士

熱海冨士

きょうから3大関の相撲を取り上げないと書いた途端、3大関がそろって勝ってしまった。一体これはどういうことなのか。「なにくそっ」と思って大関の意地を見せたのか。それとも単なる偶然か。そんなことはどうでもいい。勝って当たり前なのだから調子に乗らない方がいい。まだ場所は長い。
 大関の相撲を書かない分だけ話題に困るのは私のほうなのを忘れてしまった。今場所を盛り上げる力士たちの名前を数人挙げたが、その筆頭ともいえる若隆景が大栄翔にいいところなく敗れたのは痛かった。大栄翔は素晴らしい立ち合いから突っ張りで若隆景の上体を起こし、なおも頭を下げて前みつを取りにきたところを体を開いてはたき込んだ。
 注目の一番だったが、一方的な相撲に終わったのは意外でもあり、残念だった。強くなったとはいえ若隆景の踏み込みはまだ鋭さに欠ける。白鵬にしろ千代の富士にしろ、相手が押し相撲の時はいつもより踏み込み方が速くてもっと深かった。それから、当たりの強い相手に頭を下げおっつけだけでは相手の出足を止めることは至難の業である。やはり前みつを速く引く稽古が必要になってくる。その点を励んでもらいたい。大栄翔は絶好調のようだ。押し相撲は調子に乗ると怖い。
 照ノ富士は元気者の琴ノ若の挑戦をあっさり片づけた。鋭く踏み込み、すぐに左上手を引いて力強く寄り切った。初日の相撲とは別人の相撲であった。多少自信も取り戻しつつあるようだ。初日とは顔つきが違ってきた。何とか15日間乗り切れそうなので一安心である。
 きょうは炎鵬も宇良も勝って元気なところを見せていた。炎鵬が幕内に帰ってきて宇良と相撲を取るのを早く見たいものだ。彼らは良くやっている。私はそれだけで満足である。今は熱海冨士に熱を上げている。私は材木屋のせがれみたいに木(気)が多いから若くて元気のいいお相撲にすぐほれてしまう。序ノ口優勝の時のインタビューを見て、一目で応援しようと決めました。部屋なんかどこでもいい。一生懸命に相撲を取り、勝てば喜び負ければ泣く、この多感な若い力士は今どんどん成長している。先物買いもいいところだが、この力士は必ず大関横綱になる男である。その時まで生きていたいものだ。あと5年生きていたら土俵入りが見られるだろう。夢を見るような話だが、今の私には一番の励みになるのです。
 さて、この日は塩分の多い物ばかり食べている。今夜から粗食にしましょう。ちょうど鍋焼きうどんの差し入れがありました。ありがたい。腹減った。(元横綱)
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