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地元住民に愛された名物コロッケ復活 沼津・内浦地区

2022年5月12日 05時05分 (5月12日 05時07分更新)
ハート形のコロッケ「ラブパンチ」(手前)の開発に尽力した太田幸一さん(左)と大村文子さん=沼津市の三の浦総合案内所で

ハート形のコロッケ「ラブパンチ」(手前)の開発に尽力した太田幸一さん(左)と大村文子さん=沼津市の三の浦総合案内所で

  • ハート形のコロッケ「ラブパンチ」(手前)の開発に尽力した太田幸一さん(左)と大村文子さん=沼津市の三の浦総合案内所で
  • 中にはこしょうがたっぷり入っている=沼津市の三の浦総合案内所で
 沼津市内浦地区で昨年十月に復活した名物コロッケが人気だ。約四十年住民に愛されたが、販売していた総菜店が一昨年春に閉店。残したいと考えた有志が店主から作り方を学び、こしょうの利いた独特の味をさらに際立たせた。かわいらしいハート形を一口食べると、大量のこしょうが口内を強く刺激する。生まれ変わったコロッケの名は「ラブパンチ」。有志は地区の新名物をさらに広めようと力を入れている。 (渡辺陽太郎)
 ふわっとした衣をかむと、ジャガイモの甘みを感じる。数秒後、舌先をこしょうの刺激が襲う。飲み物を口に含んでも消えない。「このパンチがビールに合う。大人の味です」。復活させた有志の一人で、「とさわや旅館」の太田幸一さん(44)は笑顔で熱く語る。
 ラブパンチのルーツは、一九七八年開業の「惣菜(そうざい)のなかむら」(現ひもののなかむら)のコロッケ。ピリリと利いたこしょうが特徴で、内浦の日々の食卓やお出かけのお供として親しまれた。店主が高齢となっても、近隣住民が手弁当で店を手伝うほど愛された。
 店は干物販売にも力を入れ、年々多忙に。総菜販売は徐々に減り、二〇年春になくなった。意向を知った地元の三津(みと)郵便局の山下清文局長や太田さんらは「コロッケを残そう」と動き始めた。
 店主は快諾。観光案内の「三の浦総合案内所」の大村文子さんら有志が助言を受け、試行錯誤して、店主も納得する味にたどりついた。ただ「『思い出の味』を残すだけでいいのだろうか。地区外の人にも味わってほしい」と考え、コロッケの再現は後継商品の開発に変わった。
 肉には隣接する西浦地区産の「あしたか牛」を採用し、こしょうは増量。「地元愛」を表現したハート形にした。太田さんは「最初は二百個分の材料を用意した。味は自信があったけど、売れるかは不安だった」と販売開始時を振り返る。
 とさわや旅館や「浜の家」など、市内の複数箇所で販売を始めると、復活を喜ぶ地元の人や、内浦が舞台のアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」のファン、サイクリストなど観光客が次々購入。こしょうの「パンチ」が強烈な記憶として残ったのか、リピーターも多い。旅館ではこれまで約千六百個が売れた。
 太田さんは「もっとリピーターを増やし、地区外の人の『思い出の味』にもしたい」と意気込む。新型コロナウイルス収束後は、有志で市内外のイベントに積極的に出向き、PRするつもりだ。価格は販売場所で異なるが一個二百円程度。

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