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本人も立浪監督もよく耐えた…中日・石橋が“初完投 初完封” 不動の正捕手・木下離脱を育成のチャンスに

2022年5月11日 10時08分

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4回裏のピンチを切り抜け、ベンチに戻る中日・石橋

4回裏のピンチを切り抜け、ベンチに戻る中日・石橋

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇10日 ヤクルト0-1中日(神宮球場)
 得点圏に走者を背負うこと、実に5度。耐えに耐え、青木から27個目のアウトを奪った石橋は、右の拳を振り下ろしていた。
 不動の正捕手・木下が新型コロナに感染し、戦列を離れた。チームはベテランの大野奨を2軍から呼んだが、先発マスクをかぶらせたのは4年目の石橋だった。今季初、通算6試合目。経験不足はわかっているが、木下が抜けたピンチを、若手育成のチャンスに変えようという決断だった。
 「ピッチャーの皆さんに助けてもらいました。まず自分が落ち着いていかないといけないのに、慎之介さんに引っ張ってもらいました。素直にうれしいです」
 小笠原、祖父江、ロドリゲス、R・マルティネス。4投手の計139球を受けた。本人が話すように、緊張で体は動いていなかった。4回にはノーバウンドの投球を捕り損ねた。直後には一走・山田のフェイクスタートに釣られ、不要の二塁に投げた上に悪送球になった(失策で進塁)。ただ、不安そうな表情だけは絶対にしなかった。
 3回の2死一、二塁では小笠原を、8回の2死一、二塁ではロドリゲス。タイムを取ってマウンドへ行き、尻をたたき、鼓舞した。オレを信じろと胸を指し、腕を振れとメッセージを送った。受ける自分が弱気を見せたら、投手にも伝わると知っているからだ。
 過去5試合の先発マスクでは3勝しているが、全て途中でベンチに退いている。つまり、捕手として「初完投」。それを完封、しかも1―0で守り切ったことは、とてつもない自信になったはずだ。
 「走っていないところに投げたりね。初めて見ましたけど、相当緊張感があったのかな。きょうで落ち着いてくれれば。リード面は結果、ゼロに抑えたわけですから。反省もあるでしょうが、経験を積まないと難しいポジション。彼にとってはチャンスです」
 石橋も耐えたが、立浪監督も辛抱した。代えるのは簡単だが、それでは木下頼みのチームから脱却できない。支えてくれた木下が不在の今こそ、投手陣が石橋を育ててほしい。勝利に勝る栄養剤はないのだから。

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