本文へ移動

寄付金でウクライナ避難民支援、ノウハウ全国へ 名古屋市の施策に注目

2022年5月11日 05時05分 (5月11日 15時56分更新)
街頭で寄付を求めるウクライナ人ら。集められた市民の善意が支援に活用されている=名古屋市中区の名古屋城で

街頭で寄付を求めるウクライナ人ら。集められた市民の善意が支援に活用されている=名古屋市中区の名古屋城で

 名古屋市が、ウクライナ避難民への生活資金提供などの支援に、税金ではなく寄付金を活用している。東日本大震災の経験から生まれた発想で、さまざまな要望に柔軟に応じやすいという利点がある。河村たかし市長はこの方式を「名古屋モデル」と表現しており、全国の自治体から電話やメールの問い合わせが相次いでいる。(白名正和)
 市は現在、県内に逃れてきた避難民に一人十万円の生活資金を提供。さらに光熱費に充ててもらうため、別に一人十万円を贈る。加えて、市営住宅に入居した避難民には、家具や家電の購入費として一世帯十万円ずつを渡す準備も整えている。
 これらを賄うのはすべて寄付金。ロシアの軍事侵攻を受け、市は名古屋国際センター(同市中村区)と実行委を組織し、募金活動を開始。四月二十七日時点で約千三百九十万円が集まっており、支援の財源となっている。
 支援の指揮を執る松雄俊憲副市長は「財源が税金の場合、補正予算を組むなど手続きに時間を要する。必要な支援をより素早く、柔軟に行うには寄付金の方が適している」と説明。寄付の活用で、市民側に直接避難民を支えていると感じてもらえる利点もあるという。
 募金を活用する手法の原点は、東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市の子どもたちを支援した経験にある。松雄副市長は「同じように実行委をつくって寄付を募り、修学旅行がなくなった陸前高田の多くの子どもたちを名古屋に招くことができた」と振り返る。
 現在、各地の自治体が募金を活用した手法に注目。これまで北海道から沖縄まで、少なくとも十七の自治体から問い合わせが来ている。「実行委の構成はどうしているか」「給付金の財源は何か」などを尋ねられている。今後、名古屋モデルが広がる可能性がある。
 河村市長は大型連休前の四月二十五日の会見で「市民や企業から多くの支援を頂いている。ありがとう」と感謝の言葉を述べた。市は市民の善意を活用したさらなる支援のほか、避難民を対象としたホームステイ先の紹介などができないか、検討を進めている。

関連キーワード

おすすめ情報

愛知の新着

記事一覧